子育てに適した間取りとは?子育て期別(乳幼児~未就学児~就学児)のおすすめの間取りと注意点


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子供の成長に合わせて、間取り変更を検討される人は多いでしょう。子供が小さいうちは家庭で過ごす時間も長くなるため、子供の年齢に合わせて、すこやかに成長できる空間にしたいものです。
そこで今回は、子育てに適した間取りにするためのポイントをご紹介します。併せて、子育て期別で意識すべき間取りのポイントや、リフォーム費用の抑え方についても見ていきましょう。

子育て期に適した間取りのポイント

まずは、子育て期に意識したい間取りについて、意識すべき点と注意点をご紹介します。

子供が視界に入るようにする

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小さな子供がいる家庭では、子供の様子が常に目に入る間取りであることが大切です。子供の相手や世話以外にも、料理や洗濯などの家事をする必要があるため、子供につきっきりというわけにもいきません。ほかの作業で目を離した隙に子供が危険な目に遭ってしまわないような間取りを意識しましょう。
キッチンとリビングの空間がつながるオープンキッチンは、家事をしているあいだも子供の様子が目に入りやすいため安心です。家事をしながら話をしたり、いっしょにテレビを観たりと、子供とのコミュニケーションもとりやすいでしょう。

また、子供からも親が家事をしている姿がよく見えますから、小さい頃から家事に興味を持ってもらったり、教えたりすることにもつながります。
ただし、キッチンは刃物や火を扱う場所でもあるため、危険な物には子供の手が届かないよう配慮する必要があります。

掃除が楽になる動線にする

間取りを変更する際、日々の掃除が楽になることも意識しましょう。特に、キッチンやバスルーム、洗面所、トイレなどの水回りは、子育てや家事で頻繁に使用する上、こまめな掃除が必要なスペースです。
これらが近くにまとまっており、移動距離の短い間取りであれば、家事動線が短くなり、子育てや家事の負担も軽減されるでしょう。
カビや汚れのつきにくいバスルームや、自動洗浄機能つきのトイレなど、普段の掃除の手間が省ける設備を選ぶのもおすすめです。日々の手入れの手間が省けると、子育てのストレスも軽減されるでしょう。

子供専用スペースを作る

リビングやダイニングの一角などに子供専用のスペースを設けて、画用紙やクレヨン、おもちゃなどを自由に使えるようにしておけば、子供が物を散らかしても片づけが楽になります。
自由に使える自分専用のスペースがあれば、子供ものびのびとストレスなく過ごすことができるでしょう。

子供の成長に合わせてアレンジできるようにする

赤ちゃん、幼児、小学生と、子供の成長に合わせ空間をアレンジできるよう、カスタマイズ性の高い間取りであることも重要です。兄弟がいる場合、小さい頃は同じ部屋で良くても、成長に合わせて別々の部屋を用意したほうが良い場合もあります。
リフォームの際も子供の成長とライフスタイルに合わせて無理なく生活できるように、カスタマイズ性の高い間取りであることが大切です。

例えば、取り外し可能な仕切りのある部屋を用意しておき、小さい頃は1つの部屋で、子供が成長したら仕切って部屋を分けるという方法もあります。子供が独立した後は、仕切りを外してまた1つの部屋にすることも可能です。
このように、将来を見据えて、柔軟に空間を変えられる間取りを意識しましょう。

収納スペースは広くしすぎない

収納スペースは広すぎない間取りにしましょう。最初から大きな収納スペースを設けてしまうと、部屋が狭くなったり、壁が増えることで予算がかさんだりします。収納の容量は間取りではなく、収納アイテムを使って大きくすることが可能です。
例えば、スタッキングシェルフを部屋の真ん中に置けば、間仕切りとしても、収納としても使えて便利です。

それぞれの子育て期に合った間取りとは?

ここからは、「乳幼児」「未就園児」「就学児」の3つの子育て期に分けて、おすすめの間取りや注意点をご紹介します。

乳幼児の子育て期におすすめの間取り

子供が乳幼児期のうちは、姿が常に視界に入る間取りが理想的です。例えば、キッチンはオープンキッチンより対面キッチンがおすすめです。オープンキッチンは子供をキッチンからも見守れますが、自由に入れてしまう点をネックに思う人もいるかもしれません。
その場合、対面式キッチンであればキッチンからでもリビングにいる子供をしっかりと見守れる上、オープンキッチンと比べてベビーゲートを設置しやすいというメリットがあります。

■対面式キッチンの間取り
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未就園児の子育て期におすすめの間取り

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子供が未就園児の場合、リビングやダイニングの一角に自由な子供用のスペースを設けるスタイルがおすすめです。子供専用の空間を設ける場合も、未就園児のうちはまだ目を完全に離すことはリスクが高いため、壁ではなくカーテンなどで仕切るようにしましょう。
あらかじめ、リビングの横に仕切り戸つきの部屋を用意して、子供が成長したら子供部屋として使えるようにしておくという家庭も多くあります。

子供が小さいうちはリビングやダイニングで面倒を見て、小学生以降に子供部屋を与えたり、リフォームで間取りを変更したりして、子供だけの空間を用意するといいでしょう。

就学児の子育て期におすすめの間取り

子供が小学生以上になったら子供用の勉強スペースを用意し、お片づけできる収納アイテムを設置しましょう。子供が低学年で小さなうちは、個室ではなくリビングに親子で共有できる勉強スペースを設け勉強を見てあげれば、子供の勉強意欲を刺激することができるでしょう。
テキストや筆記用具などで散らかりやすくなるため、近くに収納ボックスを置いて、勉強後は片づけるように教育することも大切です。
また、小学生になると家事を手伝ってくれることもあり、いっしょにキッチンに立つ機会も増えるでしょう。複数人がキッチンに立つとなると、通路の幅は少なくとも100~125cmは欲しいところです。間取り選びやリフォームの際は、こうした通路の広さも踏まえて考えると、子供の成長後も快適に暮らせます。

共働き家庭の子育てにおすすめの間取り

共働きで子育てをする場合、優先すべきは家事の時短と効率化といえるでしょう。家事と仕事を両立させるには、効率的に家事に取り組めるよう、無駄のない家事動線であることが大切です。
特に、キッチンや洗濯機のある場所のほか、バスルームや洗濯物を干すスペースへ行き来がしやすい間取りであると家事が楽になります。

例えば、洗濯機から物干しまでのルートを考えた際に、洗濯物を持ったままでもスムーズに移動できるよう、ドアを取りつけずにカーテンで仕切るなどの工夫をしましょう。家事を行う上で行き来が多い通路は、ドアをつけないようにするのがポイントです。
一つひとつはささいなことに思えるかもしれませんが、毎日行う必要がある家事は、無駄な動きや負担が積み重なると、大きなストレスの原因になってしまう可能性もあります。できるだけ家事の負担を軽減し、両親が協力して家事と子育てを両立できる間取りになるよう意識しましょう。

間取り変更とリフォーム費用の抑え方

間取り変更のリフォームをする際、費用を抑えるには、複数の業者を比較・検討するようにしましょう。単に「安い」という口コミや売り文句だけを見て、直感で決めてしまっては危険です。

複数のリフォーム業者から出してもらった見積もりを比較し、施工内容と金額を細かく出してくれている業者をピックアップします。詳細な見積もりを出してくれる業者ほど、工事内容や範囲が明確で、リフォーム後の費用に関するトラブルも防ぐことができます。
反対に、見積もりの内容が雑で詳細がわからない業者の場合、追加工事などで思わぬ費用を請求されてしまう可能性もあるため、注意しましょう。

詳しい見積もりを出してくれて、疑問点や不明点にも丁寧に答えてくれる業者なら、安心してリフォームを任せられます。予算を決めた上で、業者選びは慎重に行いましょう。

安心してのびのび子育てできる間取りにしよう

子育て期は忙しく大変ですが、動線や配置を工夫した間取りにすれば、余裕を持って快適に過ごせます。
子供の成長に合わせて間取りをアレンジし、生活をより快適に楽しくできたら素敵ですね。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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