マンション選びの際に参考にしてほしい 令和時代の最新セキュリティ&防犯設備について


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日々進化しているマンションのセキュリティ設備。例えば、エントランスやエレベーター、ドアの鍵など、さまざまな場所で防犯対策がなされています。ここでは、オートロックをはじめとした、最近のマンションに普及するセキュリティ設備をご紹介します。ほかにも、24時間有人管理システムや保育施設が備わったマンション、IoTなど最新のセキュリティシステムについてもご紹介しますので、マンション選びの参考にしてください。

最近のマンションに普及するセキュリティ設備

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現在、マンションのセキュリティ設備は発達しており、一般的についている設備のレベルも向上しています。まずは、マンションに広く普及するオーソドックスな設備から見ていきましょう。

オートロック

オートロックは、共有部分であるエントランスへのドアや、各住戸のドアに出入りを制限するためにつけられているシステムです。マンションのドアに自動的にロックがかかるので、入る際には鍵や暗証番号、専用カードなどで開錠するか、中にいる人に開けてもらう必要があります。
居住者、もしくは居住者の許可を得た人しか入ることができない仕組みなので、不審者の侵入を防ぐことが可能です。

オートロックには、大きく次の3つの種類があります。

■オートロックのタイプとそれぞれの特徴

オートロックのタイプ 特徴
暗証番号式 ・ドアについている0~9までのテンキーを使って、決められた暗証番号を入力することで解錠できる
・鍵を持ち歩く必要がない
・暗証番号を忘れない限りは締め出されるリスクがない
・入力する場面を見られると、暗証番号が漏洩しやすい
集合キー式 ・自宅のドアと同じ鍵で開錠できる
・鍵を複数持ち歩かなくて良く、暗証番号を覚える必要がない
・すべての居住者の鍵で玄関を開けられてしまうため、紛失した際のリスクが大きい
カードキー式 ・カード型の鍵をリーダーに通したり、タッチしたりすることで開錠する
・持ち歩きやすく複製しにくいので、安全性が高い

近年は、これらに加えてスマホや指紋、顔認証などで解除できるオートロックシステムも増えています。

防犯ガラス・防犯フィルム

防犯ガラスや防犯フィルムは、窓ガラスを強化するためのセキュリティ設備です。窓を割って侵入しようとする不審者や泥棒から、家を守る役割を果たします。窓ガラスそのものを防犯性の高い物に変える場合と、すでにあるガラスにフィルムを貼る場合があり、前者のほうは費用が高くなるケースが多いです。

ちなみに、「CPマーク」がついた防犯ガラスステッカーを貼れば、視覚的に防犯性の高さをアピールできます。CPマークとは、官民合同会議が「防犯性能の高い建物部品」であると認めた場合に付与されるマークのことです。泥棒はCPマークを見ることで、防犯ガラスであると認識し、割る前に侵入行為をあきらめることが期待できます。

モニターつきインターホン

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モニターつきインターホンは、来訪者があった際に、居宅内に設置されたインターホンが鳴り、画面に来訪者の顔が映るセキュリティ設備です。実際に顔を見て来訪者を確認し、来訪者が誰なのか、居室に通しても安全なのかを判断してからエントランスのロックを解除できます。「インターホンで確認して、パパかママだったら開けてね」と伝えておけば、子供が一人で留守番をしているときも安心です。

防犯マグネットセンサー

一戸建てでもマンションでも、不審者の侵入経路として最も多いのは窓だといわれています。防犯マグネットセンサーは、磁力を利用して窓やドアの開閉を感知し、侵入者があると警報音で威嚇するセキュリティ設備です。配線工事なしで簡単に設置でき、コストも安いのが魅力でしょう。

防犯性の高いマンションを選ぶコツ

防犯性の高いマンションを選ぶコツとして、購入前の下見などですぐに確認できるポイントをご紹介します。
購入を希望されるマンションを見学する際、下記の3つのポイントを満たすかどうかを確認しましょう。

1 管理人が常駐しているか

システムの充実は重要ですが、それ以上に「人の目」が行き届いているという安心感は大きいもの。管理形態は必ず確認し、できれば24時間常駐管理のマンションを選ぶと安心です。

2 マンション周辺の雰囲気・見通し

マンションの内部はもちろんですが、マンション周辺の環境も重要です。死角になる場所や、不審者が隠れやすい茂みなどがないか、確認しましょう。
目の前や隣に公園がある場合は要注意です。散歩ができる、風通しが良いといった点で魅力的に思えますが、不審者が隠れやすい場所であることは留意するべきでしょう。近くに公園がある場合、購入前に足を運んで、雰囲気や出入りする人の層をチェックすることが大切です。

3 エレベーターの防犯対策は万全か

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今やエレベーターは、どのマンションにも付随する代表的な設備ですが、密室であることには注意が必要です。万が一、不審者が侵入した場合のリスクに備えて、エレベーター内に防犯ブザーを設置しているマンションが増えています。子供の背丈でも押せる位置にブザーがあるかのほか、防犯カメラが設置されているかなど、しっかり確認しましょう。

子育て家庭にうれしいマンションの施設やセキュリティシステム

最近のマンションには、子育て家庭にうれしい施設やセキュリティシステムが備わっています。マンションの敷地内で子供を預かってもらえる保育施設や24時間マンションを管理するシステムなど、あれば暮らしがより安心したものになるでしょう。

保育施設兼キッズルーム

最近では、保育の役割を兼ね備えたキッズルームを設置するマンションが増えてきています。
一時預かりのベビーホテル、下校後に親が帰宅するまで子供を預かってくれる保育ルームとして利用できるので、特に共働きで子育てする家庭にとっては、心強い設備でしょう。
また、マンションの共用部にあるプレイスペースを子育て支援に活用したり、住民同士が協力して保育を行ったりしているマンションもあります。

24時間有人管理システム

マンションの管理の仕方には、大きく下記の3種類があります。

・巡回管理:週に数日の割合で管理人がマンションを訪れ、清掃や点検などをする
・日勤管理:平日の昼間だけ管理人室に常駐して管理業務を行う
・24時間有人管理:夜間や休日でも24時間管理人が常駐し、人の目でマンションを見守る

近年、多くの大規模マンションや高級マンションに採用されているのが、24時間いつでも管理人が見守っていてくれる24時間有人管理システムです。小さな子供がいる家庭や、一人で留守番をさせることが多い家庭では、何かあったら管理人に相談できるので安心感があるでしょう。

一方で、24時間人が常駐するということは、コストがかかります。24時間有人管理システムがついているマンションを選ぶ際には、管理費をチェックしておくと安心でしょう。

最新の遠隔操作システムも有効

最新のセキュリティ設備としてIoTによる遠隔操作システムも、空室時の防犯対策として有効です。
IoT(Internet of Things)は、家電、ロボット、センサーなどをインターネットにつなげて遠隔管理できるシステムで、外出先から室内がチェックできたり施錠ができたりします。

必要があればワンタッチで録音・録画し、記録映像をメールに送信することも可能です。出張が多い人や、家を空ける時間が長い人、共働きで子育てする人であっても安心して生活できるでしょう。

セキュリティ設備の確認はモデルルーム見学で

セキュリティ設備について詳しく知りたいときは、モデルルーム見学を活用しましょう。間取りやデザイン、室内の機能性などを確認できるモデルルーム見学ですが、担当者に質問をすればセキュリティ設備についても教えてもらえるはずです。
セキュリティ設備のチェックと併せて、新築なら建築予定地、中古なら現在のマンションに足を運び、周辺環境を確認し、新生活を始めましょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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