マンションの間取りのチェックポイントはここ ~間取りタイプごとの特徴も併せて解説~


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マンションの住み心地を決めるといっても過言ではない間取り。ライフスタイルや家族の形態に合わせて選ぶことが大切ですが、何を基準に選べばいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
ここでは、自分に合った間取りの考え方と併せて、間取りに関連する用語についても解説します。

部屋の間取り図をチェック!

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間取り図をチェックするにあたって、最初に覚えておきたいのがLDK、DK、Sといったアルファベットで示される部屋の呼称です。以下の意味を押さえておきましょう。

■間取りの表記

L リビングルーム。居間。
D ダイニングルーム。食事をする場所。
K キッチン。料理を作ったり、食材を置いたりするスペース。
DK ダイニングキッチン。キッチンと食堂が一室になっている。
LDK リビングダイニングキッチン。キッチンと食堂とリビングルームが一室になっている。
N 納戸。収納部屋として活用できるスペース。
S サービスルーム。用途が決まっておらず、書斎としても物置としても使える部屋など。N(納戸)をSと表記することも。N、Sともに、採光や換気の関係で建築基準法では部屋として認められないスペースを指す場合もある。
UB ユニットバス。
R ルーム。ワンルームの場合に1Rとして使われる。

では、上記を踏まえて、実際に間取り図を読む際に何を見ていくべきか、チェックすべきポイントを挙げてみましょう。

部屋の広さ

部屋の広さは、「平方メートル」「畳」「帖」などの単位で表されます。畳は和室、帖は洋室に使われることが多いとされていますが、意味としては同じものです。1畳(1帖)は1.62平方メートルなので、平方メートル数を1.62で割れば畳に換算できます。

部屋の向き

部屋の向きは、方位記号で確認します。Nが示す方角が北です。人気が集中するのは、日当たりが良く、明るい南向きです。採光性は周辺環境によっても異なりますので、方角と併せて確認することが大切です。

部屋のタイプ

2DK、3LDKといった言葉で表される部屋のタイプも、間取り図から確認することができます。なお、アルファベットの前の数字は、部屋の数を表しています。

・1K
キッチンと居室がそれぞれひとつずつあり、扉で仕切られているタイプ。一人暮らしにおすすめです。

・1R
キッチンと居室のあいだに間仕切りがないタイプ。1K同様、一人暮らし向けの間取りです。

・1LDK
1つの部屋と、LDKがあるタイプ。寝室とくつろげるスペースを分けられるので、一人暮らしなどにもおすすめの間取りです。

・2LDK
2つの部屋と、LDKがあるタイプ。夫婦でそれぞれ別に部屋を持つ場合や、子供が独立した後の夫婦2人住まいに適した間取りです。

・3LDK
3つの部屋と、LDKがあるタイプ。子供が1人、もしくは2人の家族に適しています。将来的に、子供が独立した部屋を持ち、残りの一室が夫婦の寝室になるイメージのファミリータイプの間取りです。

・3LDKS
3LDKにサービスルームが1つついたタイプ。サービスルームを書斎として活用できるほか、子供の遊び道具や趣味のグッズなどを収納できるので、物が多い家庭にも便利です。

マンションの間取りでチェックしたいポイント

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間取り図に示されている場所ごとに、チェックしたいポイントを解説しましょう。

場所 チェックポイント
玄関

・冷蔵庫や洗濯機などの大型家電や家具などが搬入できる広さか
・靴箱に家族全員の靴を収納できるかどうか

リビング

・必要な家具を配置することができるか
・家族がゆったりくつろげるか
・テレビやテーブル、ソファなどの位置関係

ダイニング

・キッチンからの動線に問題はないか
・テーブルや椅子を配置するスペースが確保できるか
・家具を配置して無理なく動くことができるか

キッチン

・システムキッチンのタイプ
・調理するのに十分な広さがあるか
・冷蔵庫はどの位置に配置できるか
・買い置きの食材を置いておける場所はあるか

浴室・トイレ

・洗濯機はどの位置に配置できるか
・十分な収納とスペースがあるか

寝室

・希望する大きさのベッドが入るか
・寝る以外のスペースは十分か
・収納は十分な大きさがあるか

玄関

玄関は、実際の生活だけでなく、引越し時のことも想定して広さを確認する必要があります。冷蔵庫や洗濯機などの大型家電や、今の住まいから持ち込みたい家具などが搬入できるかどうかを考えて間口を測りましょう。併せて、家族全員の靴を収納できるかどうか、靴箱の大きさも確認するとよいでしょう。

リビング

リビングは、家族がどのように過ごしたいかによっても、求める広さや収納が違ってきます。実際の暮らしを想定して間取りを確認しましょう。必要な家具を配置することができるか、家族がゆったりくつろげるかどうかといったことから、テレビやテーブル、ソファなどの位置関係も確認したいところです。

ダイニング

ダイニングで重要なのは、キッチンからの動線です。キッチンから料理を運んだり、食べ終わった食器を下げたりする動線に問題はないかを確認します。併せて、テーブルや椅子を配置するスペースが確保できるかどうかもチェックしておきましょう。ダイニングセットが置けるだけでなく、無理なく動くことができるかもチェックします。

キッチン

キッチンは、実際に料理や洗い物をする人にとっての使いやすさを第一に考えましょう。システムキッチンのタイプや調理するのに十分な広さがあるかどうかを確認します。また、冷蔵庫はどの位置に配置できるのかも重要。買い置きの食材を置いておける場所もチェックしましょう。

浴室・トイレ

浴室やトイレも、スペースと収納がポイントです。洗濯機はどの場所に置けるのか、脱衣所に十分な収納とスペースがあるのかを確認します。

寝室

寝室は、そこに何を求めるかによって必要な条件が違ってきます。ただ寝るだけであれば、希望する大きさのベッドさえ入れば問題ないでしょう。ベッドで寝ながらスクリーンで映画を楽しむ、ドレッサーを置く、仕事で使うデスクを置けるスペースを設けるなど、単に寝るだけでないスペースとして活用したいのであれば、相応の広さが必要です。また、収納の大きさも確認しておきましょう。

間取りタイプごとの特徴を知る

間取りは大きく4タイプに分けられ、それぞれ特徴が異なります。間取りのタイプごとにどのような特徴があるのかを知っておきましょう。

田の字型

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外廊下型マンションに多いのが、田の字型の間取りです。住戸の中央を縦に走る廊下と、中央にある水回りによって居室が上下左右に分かれ、田の字のように見えることからこう呼ばれます。

田の字型には、水回りが中央に集まっていて使い勝手が良く、日当たりも良いという特徴があります。一方、外廊下側に配された居室にはプライバシーを確保しにくいという問題があり、窓から中を見えにくくするなどの工夫が必要です。

メリット

・水回りが中央に集まっていて使い勝手が良い
・日当たりが良い

デメリット

・外廊下側に配された居室ではプライバシーを確保しにくい

横長リビング

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横長リビングの田の字型は、上記の田の字型と同様、水回りが中央に集まっていて、田の字型よりも採光面が多い間取りです。横長のリビングは居住性が高く、日当たりも良いことから人気があります。

メリット

・水回りが中央に集まっていて使い勝手が良い
・横長リビングは居住性が高く日当たりが良い

デメリット

・外廊下側に配された居室ではプライバシーを確保しにくい

ワイドスパン型

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ワイドスパン型は、バルコニー側の間口が広い住戸です。バルコニーからの採光性が高く明るいこと、各居室の独立性が高く動線に優れていることなどが特徴です。リビングを中心に家族が集まりやすい間取りなので、乳幼児はもちろん思春期の子供がいるファミリーなどにおすすめといえます。

メリット

・バルコニーからの採光性が高く明るい

・各居室の独立性が高く動線に優れている

デメリット

・価格は高めに設定されていることが多い

両面バルコニー型

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両面バルコニー型は、文字どおりバルコニーが2面、住戸の両側にあるタイプの間取りです。共用廊下に接していないので人目を気にすることなく窓を開けることができ、通風性・採光性を確保できるのがメリットです。両面バルコニーは希少性が高いため、価格も高めです。

なお、相対しない2面にバルコニーがある場合は2面バルコニーといいます。

メリット

・共用廊下に接していないので人目を気にすることなく窓を開けることができる
・通風性・採光性を確保できる

デメリット

・物件数が少なく価格は高めに設定されていることが多い

間取りは広さより使いやすさを第一に

部屋の間取りを見ていると、「広ければ広いほど良いのでは」「部屋が多いほうが良いのでは」と思ってしまうかもしれませんが、ライフスタイルによって適した間取りは異なります。同じ3人家族でも、子供が乳児か、思春期かによって、必要な部屋数やリビングの使い方は違ってくるでしょう。

今後、子供が欲しいと考えている、在宅で仕事をする予定があるなど、ライフステージや将来設計においても、間取りはとても重要です。単純な広さや人気ではなく、生活する上での使いやすさを第一に検討しましょう。

 

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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