モデルルーム見学の流れとチェックすべきポイントとは?


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新築マンションの購入は、非常に高価な買い物となります。なので、納得がいくまで自分の目で確かめてから決断したいもの。そのために用意されているのがモデルルームです。

ここでは、モデルルーム見学の流れやチェックすべきポイントをご紹介します。

モデルルーム見学の前に準備しておきたいこと

モデルルームはマンション販売のために、見本として建てられた住戸のこと。住戸見本だけでなく、模型や映像を使って新築マンションをイメージできるようになっています。

まだマンション購入を考えていなかったとしても見学は可能ですが、いくつか検討しておきたいこともあります。

  • 希望条件の優先順位を決める
  • 条件に合う物件の相場を調べる
  • 質問したい内容をまとめる

これらを準備しておけば、モデルルーム見学を有意義なものにすることができるでしょう。

購入を検討していなくてもモデルルーム見学OK

「このマンションを買うかどうかはわからない」「今すぐ購入するわけではないが、どんなものか見てみたい」という場合でも、モデルルームを見学することができます。「軽い気持ちで行って嫌な顔をされないだろうか」と心配する必要はありません。

また、モデルルームを見学したからといって、無理な勧誘をされることは基本的にありません。購入希望者用の商談コーナーを分けて設置しているところもあります。まだ、購入を検討している段階ではない場合、見学の際にその旨を伝えておくのもひとつの手です。

少しでも気になったら、モデルルームを見学してみましょう。

モデルルーム見学はできれば予約を

モデルルームを見学したいと思ったら、まずは見学の予約をしたほうがいいでしょう。予約なしで見学できる場合もありますが、物件によっては予約が必要なこともあります。予約なしでモデルルームを訪れた場合、タイミングによってはスタッフが全員接客中で、すぐに案内してもらえない可能性があります。

モデルルームを見学する際の服装・持ち物

マンション購入を考えているわけではないとしても、見学しているうちに購入したくなったり、ほかの物件と比較・検討したくなったりするかもしれません。そんな場合に備えて、筆記用具やカメラは用意しておいたほうがいいでしょう。

もちろん、購入を考えている場合は、メジャーやコンパスを用意し、家具の配置や方角などをしっかり確認しておきます。

また、見学の際には動きやすい服装が望ましいでしょう。モデルルームの室内を隅々まで確認するため、かがんだり背伸びしたりすることがあります。スリッパは用意されていますが、大勢が使用する物なので、エチケットとして靴下は履いていきましょう。

■モデルルーム見学に持っていきたいもの

  • 筆記用具
  • カメラ
  • メジャー
  • コンパス

一般的なモデルルーム見学の流れ

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モデルルームの見学は、不動産会社によっても多少異なりますが、所要時間は1〜2時間程度です。一般的なモデルルーム見学の流れを見ていきましょう。

Step1 受付をする

受付では、氏名、住所、マンション購入の検討状況などを記入します。個人情報を記入したくない場合は、記入の必要がない自由見学型のモデルルーム見学会を探してみましょう。

Step2 マンション建設地と周辺の説明

受付を済ませたら、マンション建設地とその周辺について説明を受けます。多くの場合、マンション建設地の周辺地図や立体模型が用意されており、マンション周辺の様子がわかるようになっています。

ここでは、バス停や駅などの交通機関、スーパー、保育園、幼稚園、医療機関などとの位置関係を確認しておきましょう。小さな子供がいる場合は、近くに交通量の多い大きな道路があるかどうかも確認しておくと安心です。

Step3 建物模型の確認と説明

次に、建物の立体模型や平面図を見ながら、マンション全体の説明を受けます。一部のモデルルームでは、シアタールームで実際の生活シーンが見られる場合もあります。

エントランスや廊下など、部屋以外の共用部分の位置などもしっかり確認しておきましょう。建物の構造や耐震性もここで確認できます。

Step4 間取りプランの説明

分譲マンションでは多くの場合、「Aプランは1DKで単身者向け」「Bプランは4LDKでファミリー向け」のように、いくつか間取りのプランがあります。同じ3LDKでもプランによって広さや間取りが異なる場合もあります。

希望の間取りがある場合はあらかじめ伝えておくと、希望に合ったプランについて説明してもらえるでしょう。

Step5 モデルルーム室内見学

モデルルームの室内を見学します。モデルルームには、ソファ、テーブル、食器棚など、家具が配置してありますので、ただ見るだけでなく実際の生活をイメージして動いてみましょう。キッチンからテーブルに料理を持っていったり、洗濯物をベランダまで持っていったりする動きを実際に試してみます。自分の生活では、この部屋をどう使うかを考えてみることが大切です。

また、現在使っている家具、家電などをこの部屋に配置したらどうなるかもイメージしてみましょう。冷蔵庫や洗濯機は使い勝手の良い位置に収まるかを確認します。メジャーを使って配置する場所などの寸法を測り、間取り図にメモしておくといいでしょう。

Step6 担当者への相談

室内の見学中に気になったことのほか、周辺や建物の説明で聞き忘れたことなどがあれば、最後に確認しておきましょう。

また、実際に購入を検討している場合は、支払いのシミュレーションやローンについても相談することができます。何年ローンで月々の支払いはいくらになるのか、ローンの審査が通る見込みはあるかなど、気になることがあれば聞いてみてください。

モデルルームの室内見学でチェックしたいポイント

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モデルルームの室内見学では、実際の生活をイメージして動いてみることが大切ですが、その一方で、場所ごとにしっかりチェックしておきたいポイントがあります。

場所ごとに、どんなところを見ておくべきかご紹介しましょう。

玄関・廊下

まず玄関では、持ち込む予定の家具が玄関から入れることができるか、メジャーで測っておきましょう。玄関は入れたとしても、廊下から部屋に入るまでの角を曲がれないこともありますので注意が必要です。

また、車椅子や歩行補助器具を使っている人がいる場合は、廊下を通れるか、手すりがあるか、玄関に十分なスペースがあるかも確認します。

天井・床

実際に部屋を見てみると、図面で想像していたイメージとは異なる場合があります。特に天井の高さは図面ではわからないため、圧迫感があるかどうかといったことをチェックし、メモしておくとよいでしょう。

また、二重天井、二重床であれば、遮音性も高く、リフォームがしやすいというメリットもあります。見学の際に確認してみるとよいでしょう。

寝室

寝室では、窓の向きと大きさ、駅や大きな道路が近い場合は窓の遮音性能もチェックしておくといいでしょう。ただし、モデルルームと実際の住戸では、位置や階数の違いもあり、日光の入り具合は異なることも認識しておいてください。

なお、夜勤などで日中に就寝する家族がいる場合は、寝室が共用廊下側にあると住人の通行音が気になることもありますので、寝室でも実際の生活をイメージしてみることが大切です。

バスルーム・トイレ・洗面所

バスルーム、トイレ、洗面所といった水回りの使い心地は、実際にチェックして確認したい箇所です。バスタブに入ってみたり、洗面所で顔を洗ってみたり、実際に使うときの姿勢をとってみて、不都合はないか確認しましょう。

また、水回りは、水垢などの汚れが溜まりやすい場所なので、掃除がしやすい構造になっているかもチェックします。

キッチン・ダイニング

キッチンやダイニングでは、食器棚や冷蔵庫が配置された状態で、スムーズに移動できるか確認します。実際に料理をする機会の多い人が、キッチンの前で調理する姿勢をとってみて、高さや収納の位置などをチェックするといいでしょう。

調理・配膳の際には、近い場所で複数人が同時に動くこともありますので、ぶつかることなく動けるスペースがあるかといったこともチェックします。

リビング

リビングでは、立った状態だけではなく、ソファや椅子に座った状態で室内を見回してみることが大切です。目線の高さが変わると、部屋の見え方も変わるものです。また、コンセントの位置と数も確認しておきましょう。

バルコニー

バルコニーでは、広さや洗濯物が干せる位置などを確認します。洗濯物は十分に干せる広さがあるか、雨が降っても濡れないスペースがあるか、天候も考えながらチェックしましょう。

なお、バルコニーに奥行きがあると開放感はありますが、太陽の位置によっては部屋の奥まで日が入らないこともあります。

また、掃除やガーデニング用の流しであるスロップシンクがあるかどうかは、物件によってまちまちです。ガーデニングなどでスロップシンクを使いたい場合は、その有無を確認しておきましょう。

実際に見てみないとわからないことはたくさんある

実際にモデルルームの中に入って見学をすると、間取り図だけではわからない、いろいろなことが見えてきます。マンション購入は高価な買い物なので、ご紹介したチェックポイントを参考に、隅々まで見て確かめてください。

キッズスペースが併設されているモデルルームも多いので、子供連れでも安心して見学することができます。すぐに購入を考えていなくても、興味を持ったら一度見学してみることをおすすめします。

 

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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