マンションは新築?中古?それぞれのメリット・デメリットについて


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マンションを購入しようと考えた場合、新築マンションと中古マンションの2つの選択肢があります。新築マンションと中古マンションは、それぞれ異なるメリットとデメリットがあり、それらをきちんと理解しておかないと、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することもあるかもしれません。

ここでは、新築マンションと中古マンションのメリット・デメリットについて紹介します。

  メリット デメリット
新築マンション

・新しい設備や材質が使われている
・地震に強い構造で建てられている
・住宅ローン減税制度を受けやすい

・中古マンションより購入価格が高い
・モデルルームではイメージがわきにくい
・物件数が少ない

中古マンション

・新築マンションより購入価格が安い
・実際の物件を見て選べる
・物件数が多い

・室内のリフォームなどが必要になる場合がある
・耐震性に不安を覚えることもある
・住宅ローン減税制度が利用しにくいことも

新築マンションのメリット

新築マンションは、新築でまだ誰も住んでいないということ自体がメリットでもありますが、ほかにもいくつかメリットが考えられます。まずは、新築マンションを購入するメリットについて紹介しましょう。

新しい設備や材質が使われている

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新築マンションは、中古マンションよりも新しい設備や材質が使われているということが、最大のメリットだといえます。建築から何年か経ってしまった中古マンションと比べて、システムキッチン、バスルーム、トイレなどには、機能の面でも新しい設備が設置されています。フローリングや室内のドアなども新しい材質が使われており、住み心地は比較的快適になるといえるでしょう。

さらに、設備や材質が新しいだけではなく、新築マンションはまだ誰も使用していないので、内装がきれいだという点もメリットです。

地震に強い構造で建てられている

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新築マンションの安全面から見たメリットは、地震に強い構造で建てられているということでしょう。

地震に強い理由として、新耐震基準にもとづいて建てられていることが挙げられます。新耐震基準は1981年6月1日以降に適用されている基準で、震度6強から震度7程度の揺れがあったとしても建物が倒壊しない基準として設定されています。

一方、旧耐震基準は、1981年5月31日まで設定されていた基準で、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しない基準です。そのため、旧耐震基準で建てられたマンションよりも、新耐震基準で建てられたマンションのほうが、多くの場合、揺れに強いということがいえるでしょう。

また、新築マンションであれば、新耐震基準で建てられていることはもちろん、耐震構造、制震構造、免震構造など、地震の揺れに強い構造が採用されていることが多く、安心して生活できるのは大きなメリットです。

住宅ローン減税制度を受けやすい

新築マンションを購入する場合、住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税制度)を利用しやすいという点もメリットのひとつです。住宅ローン減税制度とは、住宅ローンを利用して住まいを購入した場合、年末時点での住宅ローン残高の一定割合分を、所得税から控除する制度です。

住宅ローン減税制度を利用するには、築25年以内のマンションであったり、耐震基準を満たしていたりと、いくつかの条件をクリアする必要があります。もちろん、中古マンションでも住宅ローン減税制度を利用することはできますが、新築マンションのほうがクリアしやすいといえます。

新築マンションのデメリット

新築マンションのメリットは、主に新しいという観点からのものだといえますが、デメリットもいくつかあります。新築マンションのデメリットは、どのような点が挙げられるのでしょうか。

中古マンションより購入価格が高い

新築マンションのデメリットとして、中古マンションよりも購入価格が高い傾向があることが挙げられます。新築マンションは、設備や内装が新しいものであるというだけでなく、中古マンションよりも販売にかかる広告費や人件費などにコストをかけています。そのコストが購入価格に反映されるということもあり、新築マンションのほうが購入価格は高くなってしまうといえるでしょう。

モデルルームではイメージがわきにくい

新築マンションの場合、まだ完成していない状態で販売されることが少なくありません。その場合、モデルルームを見学したり、図面を見てイメージしたりするなどしますが、実際のマンションを想像することしかできず、完成後のイメージがわきにくいともいえるでしょう。

モデルルーム見学である程度のイメージができることもありますが、日当たりや騒音などは実際に入居してみないとわからないということは、デメリットのひとつといえます。

物件数が少ない

新築マンションは、物件数が少ないこともデメリットです。新しくマンションを建てるには、ある程度の広い土地が必要です。そのため、これまでに建てられた中古マンションの数に比べると、新築マンションのほうが物件数は少なくなってしまいます。

1つのエリアだけで新築マンション購入を検討している場合は、希望の物件が出てこない可能性も高くなります。いくつかのエリアにわたって、できるだけ多くの物件を見ておくといいかもしれません。

中古マンションのメリット

中古マンションには、下記のように新築マンションとは違ったメリットがあります。

新築マンションのデメリットが、反対に中古マンションではメリットとなることもあります。新築マンション購入が難しい場合は、中古マンションも検討してみてはいかがでしょうか。

購入価格が新築マンションよりも安い

中古マンションのメリットのひとつに、購入価格の安さが挙げられます。一般的に、居住面積などの条件が同じであれば、中古マンションのほうが新築マンションよりも購入価格は安くなります。

予算の面で新築マンション購入は難しいという場合は、同じような条件の中古マンションがあるかどうか探してみることをおすすめします。

実際の物件を見て選べる

中古マンションは、実際の物件を見て選べることもメリットです。新築マンションの場合は、物件が完成していない状態で販売されることがあり、入居後に生活するイメージがしにくいということがデメリットでした。中古マンションでは反対に、物件が完成している状態で、売主が実際に生活している部屋が見られることもあるため、物件購入後のミスマッチが少なくなります。

物件数が多い

中古マンションは、新築マンションよりも物件数が多いため、数多くの物件の中から比較・検討することができます。数が多いということは、立地や間取りなど、いくつか条件を挙げた上でその中から検討することができるため、希望の物件が見つかりやすいといえるでしょう。

中古マンションのデメリット

もちろん、中古マンションにもデメリットはあります。メリットだけではなくデメリットにも目を向けて、検討してみることが大切です。中古マンションには、どのようデメリットがあるのか解説します。

室内のリフォームなどが必要なことも

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中古マンションでは、設備が劣化していたり、最新ではなかったりすることが、大きなデメリットだといえるでしょう。

そのため、リフォームや新たに設備を設置し直す必要がある物件も多くあります。結果的に、新築マンションを購入する場合と同じくらいの予算がかかってしまうこともありますので、購入前に部屋の状況をしっかり確認しておく必要があります。

反対に、自分の思いどおりの設備や内装、間取りにしたい場合は、あえて中古マンションを購入して、リフォームするという選択肢もあります。リフォームが必要な状況でも、見方を変えればメリットになります。

耐震性に不安を覚えることがある

中古マンションの築年数が古すぎる場合は、新耐震基準が適用されていない可能性があり、その場合は新築マンションよりも耐震性が劣るといえるでしょう。新耐震基準の適用は1981年6月1日以降ですが、建築確認に時間がかかることもあり、1982年の建築であったとしても新耐震基準ではない場合もあります。その前後の建築だった場合は、新耐震基準かどうかを確認しておきましょう。

住宅ローン減税制度が利用しにくいことも

新築マンションのメリットにも書いたように、住宅ローン減税制度を利用するためには、一定の条件をクリアしなくてはなりません。中古マンションの場合は、決められた耐震基準をクリアしていなかったり、築25年以内でなかったりというように、条件をクリアすることができない物件もあるので注意しましょう。

新築・中古にこだわらず比較・検討を

新築マンションと中古マンションには、それぞれメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言い切れません。自分の希望やライフスタイルに合ったマンションを選べるのが理想ですが、新築マンションだけにこだわると、物件数が少ないこともあり、なかなか購入することができなくなります。

新築か中古かにこだわらず、メリット・デメリットを理解した上で、選択の幅を広げてみてはいかがでしょうか。

 

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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