マンションに表札は必要?表札を出すメリット・デメリット


マンションでは、表札は郵便受けや玄関ドア周りに設置します。戸建ての場合は表札を出す家が多いですが、集合住宅ではプライバシーを守るために表札は出さないという場合も多いようです。
ここでは、マンションに表札は必要なのかについてご紹介します。また、集合住宅で表札を出すメリットとデメリットについても見ていきましょう。

マンションで表札は出したほうがいい?

まずは、マンションなどの集合住宅における表札の必要性について見ていきましょう。また、マンション住まいで表札を出している住戸はどれくらいの割合になるのかについても、併せてご紹介します。

マンションの表札は出しても出さなくても良い

マンションの規定にもよりますが、一般的には、マンションやアパートの住人が必ず表札を設置しなければならないというルールはありません。
かつて、日本では戸建てやマンションを問わず、表札を出すことは一般的でした。しかし、近年はプライバシー保護やセキュリティを重視する傾向もあり、あえて表札を出さないという世帯も増えつつあります。

マンションで表札を出している割合は?

三井不動産レジデンシャル株式会社が代表となっているサステナブル・コミュニティ研究会が2014年に行った「マンション・コミュニティに関するアンケート調査」によると、マンション内で表札を出している住戸の数は「ほぼすべての住戸で掲げている」「掲げている住戸は多い」で65%を占めていました。詳細な数字ではないものの、表札を出しているほうが多数ではあるようです。

マンションで表札を出すメリット3つ

アンケートの結果からは、マンションでも表札を出す住戸が多いことがわかりましたが、表札を出すことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • 郵便物・宅配便などの誤配を防げる
  • マンション内で存在を認識してもらえる
  • 防災時の安否確認に役立つ

考えられるこれらのメリットについて解説します。

郵便物・宅配便などの誤配を防げる

表札を出すことで、郵便物や宅配便の誤配を防げるというメリットが考えられます。特に、戸数の多い大型マンションの場合、表札が出ていなければ、似ている部屋番号や名前の住戸に郵便物や宅配便が間違って届いてしまうかもしれません。誤配によって、重要な文書や荷物を他人に開封されてしまう可能性もあります。
表札を出しておくことでこのような誤配を防げる可能性も高くなり、郵便物や宅配物のプライバシー保護にもつながります。

マンション内で存在を認識してもらえる

表札を設置することで、マンション内の近隣の住人に名前を覚えてもらいやすいというメリットもあります。どうしても住んでいることを知られたくないということでなければ、緊急時などに備えて近所づき合いを大切にしておいたほうがいいでしょう。

防災時の安否確認に役立つ

表札を出しておくことで、防災時の安否確認に役立つというメリットもあります。玄関ドア周辺やエントランスの郵便受けに表札を出していない住戸は、住んでいるのかどうかの判断がしにくくなってしまいます。表札を出しておけば、住んでいるということがはっきりわかり、災害時の安否確認にも役立つでしょう。

表札を出すデメリット2つ

表札を出すメリットはいろいろとありますが、一方でデメリットも考えられます。表札を出すことによる、以下の主な2つのリスクについて確認しておきましょう。

  • プライバシー保護・防犯が不安
  • セールスに利用される

プライバシー保護・防犯が不安

表札を出すことで自分の名前を知られることになり、プライバシー保護や防犯の面で不安になるというデメリットがあります。ほかの住人に不用意に自分の名前を知られたくない人にとっては、表札を出す必要性を感じにくいでしょう。

セールスに利用される

表札を出すことでその住戸に人が住んでいることがわかるため、訪問営業などのセールスに利用されやすいというデメリットも考えられるでしょう。セールスへの対応をなるべく減らしたい人にとっては、表札を出すことはデメリットといえるかもしれません。

マンションで表札を出す場所

マンションで表札を出す場合、どの場所にどのように出したらいいのでしょうか。マンションでの表札の設置場所やルールについてご紹介します。

表札を設置するのはマンションの共用部分

マンションの場合、表札を出すのは外廊下の玄関ドア付近であることがほとんど。この部分は、マンション内では共用部分にあたります。マンションの共用部分は専有部分と異なり、住人が勝手に変更することはできません。トラブルを防ぐためにも、設置場所を変更したい場合は、管理会社や管理組合に必ず連絡するようにしましょう。
表札の出し方についても、マンションの管理規約などで指定されている場合があるため、変更したい場合も規約を確認する必要があります。

表札のメリットとデメリット

表札の形や素材も管理規約でルールが決まっていることも

せっかく表札を設置するなら、自分好みのデザインや素材にしたいという人もいるのではないでしょうか。ただし、マンションの表札の形や素材は、マンション内で統一するケースが多くなっています。戸建てのように自由にデザインや素材を選べるわけではありません。
表札のデザインや素材を変更したいときは、勝手に変えるようなことはせず、まずは規約を確認したり、管理組合に相談したりしましょう。

マンションの表札は資産価値にも影響する?

最後に、表札がマンションの資産価値に影響を与える可能性についても考えてみましょう。最近は、マンションなどの不動産を購入する際に、その建物の資産価値を重視する人も増えています。その資産価値に影響を与える要素のひとつに、表札が出ているかどうかが挙げられます。

表札を出しているとコミュニティーに参加している可能性が高い

表札を出していると、住人同士で名前を覚えやすく、日頃の挨拶や何気ない声掛けもしやすくなります。そういった日頃のコミュニケーションができていると、そのマンション内で良好なコミュニティーが構築できている可能性は高いでしょう。
住人のコミュニティーへの参加意識が高いマンションほど、管理も行き届いているという見方もあります。表札を出している住戸が多いということが、そのマンションの安心材料のひとつにもなるのです。

良好なコミュニティーづくりが資産価値の向上にもつながる

マンションの資産価値を構成する要素として、管理が行き届いているかどうかも挙げられます。
表札を出している住戸が多いマンションは、積極的にコミュニティーに参加する住人が多く、管理も行き届いていて安心感がある。それが資産価値向上につながっていくのです。

メリット・デメリットを踏まえて表札を出すかどうかを決めよう

最近では、表札も個人情報のひとつと考える人が増えてきており、表札を出さない住戸も少なくありません。その一方で、表札には郵便や宅配の誤配を防いだり、マンション内のコミュニティーづくりのきっかけになったりといったメリットもあります。
マンションで表札を出すかどうかは、このようなメリットとデメリットを踏まえて決めるようにしましょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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