マンションにあると便利な宅配ボックスとは?冷蔵、集荷などの機能も


宅配ボックスとは、外出中でも宅配便などの荷物を受け取ることができるように設置された、鍵つきのロッカーのことです。マンションでは、エントランスの郵便受けの近くに設置されたり、郵便受けと一体となったりしているものが多く見られます。
ここでは、マンションの宅配ボックスの使い方と使用上の注意点のほか、主な宅配ボックスの種類と特徴をご紹介します。

宅配ボックスのメリット2つ

宅配ボックスがあれば、荷物に予定を合わせる必要もなくなり、普段の生活が便利になります。メリットとしては主に次の2つが挙げられます。

  • 不在時でも荷物が受け取れる
  • 防犯面でも安心

これらのメリットについて紹介しましょう。

不在時でも荷物が受け取れる

宅配ボックスのメリットは、なんといっても受取人が不在でも荷物が受け取れることです。配達されたその日に受け取れるのはもちろん、再配達依頼をする手間もかかりませんし、荷物が届く時間に合わせて家にいる必要もなく、配達員の負担も軽減できます。

不在でも受け取れるため、日中に受け取るのが難しいといった理由で控えていたインターネットでの買い物も、気にすることはないでしょう。宅配ボックスから荷物を取り出すのは、帰宅時など、自分の生活ペースに合わせて好きなときに行えます。

防犯面でも安心

宅配ボックスがあることで、防犯面での安心にもつながります。マンションの宅配ボックスは、エントランスの自動扉の内側、オートロック扉の外側の部分にあることが多く、配達員がオートロックの内側に入ることはありません。また、配達員とも顔を合わせずに荷物が受け取れます。

なお、宅配ボックスが設置されていないマンションでも、後づけすることが可能です。ただし、マンションの場合は共有部分に設置することになるため、まず管理組合に提案して話し合い、多くの住民の賛成が得られてから設置、という流れになります。大規模改修工事に合わせて設置を提案し、工事を行うとスムーズに設置できるかもしれません。

マンションの宅配ボックスで注意したいこと5つ

宅配ボックスは非常に便利なものですが、万能ではありません。また、使い方を間違うと思わぬトラブルにつながる可能性もあります。主に次の5つです。

  • 入れられない品物がある
  • 入れられるサイズが決まっている
  • 宅配ボックスに空きがない場合がある
  • 宅配ボックスがあると家賃や管理費が相場よりも高くなる
  • 届いているのに気がつかない場合がある

これらの注意点を紹介しましょう。

入れられない品物がある

一般的な宅配ボックスには、生鮮食品や冷凍・冷蔵が必要な食材、貴重品、代金引換や着払いで届く荷物は入れてもらうことはできません。生鮮食品に対応した冷蔵機能つきの宅配ボックスもありますが、まだ数は少ないので、事前に受け取りが可能かどうかを確認しておいたほうがいいでしょう。

入れられるサイズが決まっている

宅配ボックスに入れられる荷物には重量制限があり、この制限を超える重い荷物は入れてもらえません。また、宅配ボックスより大きな荷物も、当然ながら宅配ボックスで受け取ることはできません。重い荷物や大きな荷物を受け取りたい場合は、事前に宅配ボックスの仕様を確認しておくといいでしょう。

宅配ボックスに空きがない場合がある

宅配業者が配達に来ても、ほかの入居者が使っていて宅配ボックスに空きがない場合もあります。その場合は、宅配業者は荷物を持って帰ってしまいます。
届いた荷物をなかなか受け取らないでいると、ほかの人が宅配ボックスを使うことができません。住人同士のトラブルにもつながりやすいため、荷物を長期間受け取っていないような様子があれば、管理組合や管理会社に連絡しましょう。

宅配ボックスがあると家賃や管理費が相場よりも高くなる

宅配ボックスは便利で、設置されているマンションに入居したい人はたくさんいます。ですから、同じような条件のマンションの場合、宅配ボックスがあるマンションのほうが、家賃や管理費が高くなる傾向があるのです。
また、セキュリティ設備も整っていることが多いため、その分の費用も家賃や管理費に反映されています。

届いているのに気がつかない場合がある

配達員が不在配達票をポストに入れ忘れたり、受取人が荷物到着を知らせるメールを見逃したりした結果、荷物が届いているのに気がつかないこともあります。配達予定を過ぎていても到着の連絡がない場合は、どんな状況になっているのかを問い合わせてみましょう。

マンションの宅配ボックスの種類と特徴

マンションの宅配ボックスには大きく分けてダイヤル式と電子式の2つのタイプがあり、それぞれ使い方が異なります。それぞれ、どのような特徴があるのかをご紹介します。

宅配ボックスの種類

ダイヤル式

ダイヤル式の宅配ボックスは、主に4桁の暗証番号で開錠するアナログタイプの宅配ボックスです。配達員は荷物を宅配ボックスに入れる際に暗証番号を設定し、配達通知書に記載して受取人の郵便受けに投函します。受取人は配達通知書を見て、ダイヤルを暗証番号に合わせることで荷物を受け取る方式です。シンプルで使いやすいのがメリットですが、もし第三者に配達通知書を読まれると、簡単に荷物を取り出せてしまいますので、注意が必要です。

電子式(磁気カード、暗証番号など)

電子式の宅配ボックスは、電子機器を組み込み、従来のダイヤル式では不可能だったさまざまなサービスを可能にした宅配ボックスです。荷物が届いた際に受取人にメールが届いたり、荷物が届くと住居内のインターホンに表示されたり、配達票を差し込むと押印されたりといった、便利な機能が備わっています。
開錠方法は、入居者だけが持つ磁気カードを使う方法、入居時に各自に配布される個別の暗証番号を入力する方法などが主流です。
電子式は、利便性とセキュリティ機能の高さがメリットですが、カードを紛失したり暗証番号を忘れたりしてしまうと、本人確認に時間がかかります。カードや暗証番号は、自身でしっかり管理しておくことが大切です。

便利な宅配ボックスサービス4つ

宅配ボックスが普及してきたことで、近年では、荷物の受け取り以外のサービスも提供されるようになりました。

  • 集荷サービス
  • クリーニング受け取り
  • 冷蔵宅配ボックス
  • 書留郵便物受け取り

これらの宅配ボックスを利用した、暮らしに役立つサービス4つをご紹介します。

集荷サービス

宅配ボックスで集荷もできるサービスがあります。多くの宅配業者では、荷物の受け取りだけでなく、発送までも宅配ボックスで行うことができるようになっています。宅配ボックスに荷物を入れておくと宅配業者が集荷し、送り状の控えをポストに入れるという流れです。一般的には、クレジットカードから宅配料金の支払いができます。

クリーニング受け取り

宅配ボックスを利用してクリーニングを依頼し、受け取ることができるサービスもあります。クリーニングに出す衣類を宅配ボックスに入れておくと、クリーニング業者が引き取りに来てくれます。クリーニング完了後は宅配ボックスに届けてくれるため、普段クリーニングに出す時間がない人には非常に便利です。

冷蔵宅配ボックス

冷蔵宅配ボックスは、冷蔵保存機能を備え、食材の受け取りを可能にした宅配ボックスです。通常の宅配ボックスでは、基本的に食材は受け取ることはできませんが、冷蔵宅配ボックスがあれば生鮮食品でも受け取ることができます。スーパーマーケットの生鮮食品宅配サービスなども、時間を気にせず利用できるようになるでしょう。

書留郵便物受け取り

宅配ボックスの仕様によっては、書留郵便物も受け取ることができます。通常の宅配ボックスでは書留郵便の受け取りはできず、次の要件を満たす必要があります。

  • 施錠でき、受領証発行機能を備えたロッカー型、またはアンカーなどで床や壁などに固定されている宅配ボックス
  • 不在時は宅配ボックスに届けることを依頼する「指定場所配達に関する依頼書」を日本郵便に提出する

■マンションの宅配ボックスでできること
マンションの宅配ボックスでできること

宅配ボックスを活用して暮らしを便利にしよう

インターネットで買い物をすることが多い現在、不在時でも荷物が受け取れる宅配ボックスは、非常に便利な設備です。冷蔵機能を備えた宅配ボックスや、荷物の発送やクリーニング受け取りができる宅配ボックスなど、受け取る以外にも、さまざまなサービスが利用可能となっています。
マンション選びの際には宅配ボックスの有無に加え、宅配ボックスにどのようなサービスがあるかをチェックしてみてください。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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