マンション最上階のメリット・デメリットとは?物件選びの注意点


マンションの購入を検討している人にとって、「どのマンションにするか」と同じように悩みの種となるのが、「どの部屋を選ぶか」ということでしょう。中には、「マンションに住むなら、一度は最上階で暮らしてみたい」と、最上階の住戸に憧れを抱く人もいるでしょう。
最上階には眺望の良さはさることながら、ほかの階にはない魅力があります。しかし、最上階で実際に暮らすとなると、メリットだけでなくデメリットがあるのは事実です。ここでは、マンションの最上階に暮らすメリットとデメリットをご紹介します。デメリットをいかに解消するかという対策や、購入前に知っておきたい金銭面での注意点についても紹介しますので、最上階の住戸をお探しの方はチェックしてください。

マンション最上階のメリット4つ

マンションの最上階には、ステータス性といった魅力だけでなく、生活する上でのメリットがあります。
マンションの最上階を購入して暮らす際の、具体的なメリットは下記の4つです。

  • 眺望が良い
  • 売却の際に一定の需要がある
  • 日当たりが良い物件が多い
  • 上階の物音に悩まされない

1 眺望が良い

マンション最上階の最大のメリットともいえるのが、眺望の良さです。特にタワーマンションの最上階からは、さえぎる物のないすばらしい景色を見ることができるでしょう。都会のマンションであれば、眼下に広がる夜景を楽しむことができますし、地方都市であれば海や山を見渡すことができるかもしれません。

2 売却の際に一定の需要がある

マンションの最上階は、部屋からの眺めを重視する人には、人気であるといえます。
いずれ売却を考える際にも、一定の需要が期待できる点はメリットといえるでしょう。

3 日当たりが良い物件が多い

マンションの高さや環境にもよりますが、最上階は周辺に障害となるような建物があまりなく、日当たりの良い物件が多いといえます。日中は照明を使用する必要がなかったり、冬でも晴れた日は暖かいので暖房の使用を抑えることができたりして、光熱費の節約にもつながるでしょう。
同時に、風通しが良い場合が多いので、湿気がこもりがちな鉄筋コンクリート造のマンションでも、カビの問題に悩まされる可能性が低い点もメリットといえます。

4 上階の物音に悩まされない

上に人が住んでいると、足音や物を落とす音、引きずる音などがストレスになる場合があります。
その点、最上階の部屋であれば、上階の物音に悩まされることがありません。

マンション最上階のデメリット4つ

マンション最上階での暮らしには、デメリットもあります。憧れだけで最上階を選んで後悔することがないよう、デメリットについても知っておきましょう。
マンション最上階に住むデメリットは下記の4つです。

  • 価格が高い
  • 夏は暑い
  • エレベーターに乗っている時間が歯がゆく感じることがある
  • 地震の揺れ・災害時の避難の問題がある

1 価格が高い

マンションの最上階は人気が高いので、一般的に販売価格は下層階の部屋よりも高く設定されています。
価格に見合った価値を見いだすことができるのか、購入する前に検討するべきでしょう。

2 夏は暑い

熱の影響を受けて暑くなる最上階

マンションの屋根や天井に施された断熱性能にもよりますが、最上階は屋根の熱の影響を受けて室温が上がることがあります。夏は特に、ほかの階に比べて冷房が効きにくいということもあるでしょう。
設定温度を低めにしたり、風通しを活かして部屋の空気を循環させたりして、室温の調節をする必要があります。

3 エレベーターに乗っている時間が歯がゆく感じることがある

最上階に限らず、マンションは居住階が高くなればなるほど、エレベーターに乗っている時間が長くなります。
忘れ物を取りにいったり、郵便受けを見にいったりするにも時間がかかるというのは、最上階を含む、マンションの高層階に暮らすデメリットのひとつです。

4 地震の揺れ・災害時の避難の問題がある

建物の造りにもよりますが、地震が発生したとき、高層階は揺れが大きくなり、家具類の転倒で負傷するといったリスクがあります。
また、地震や台風、落雷等によって停電が起こると、エレベーターが止まってしまうこともあるでしょう。外出や避難をするときは、階段で移動しなければいけません。最上階に限りませんが、階段による移動は、階数が高いほど困難になるといえます。

購入時にできる、最上階の暑さや地震対策

ご紹介したマンション最上階のデメリットのうち、暑さや地震に関しては、物件選びの際に気をつけることで、ある程度解消することができます。

暑さ対策:方角に注意して物件を選ぶ

暑さに関しては、最上階の住戸を購入する際、方角に注意して部屋を選ぶといいでしょう。東向きの部屋であれば、朝の早い時間に日が差し込み、夜は日が落ちることから、比較的過ごしやすいといえます。反対に、西向きの部屋では、夜まで熱がこもりやすくなるので注意が必要です。

地震対策:構造に着目して物件を選ぶ

地震の揺れが苦手であるという人は、マンションを購入する際、構造に着目するといいでしょう。免震構造のマンションであれば、地震の揺れが建物に伝わりにくくなっています。最上階であっても、揺れにくい構造の物件を選べば、地震に対する不安を軽減することができるでしょう。

最上階を検討する際の金銭面での注意点

マンションの最上階の住戸を購入しようと考えるのであれば、物件の価格や管理費・修繕積立金が、ほかの階と比べてどのくらい高くなるのか、確認しておくべきでしょう。
最上階を含め、マンションの高層階の住戸は人気が高く、低層階と比べて価格が割高になる場合がほとんどです。

また、最上階の住戸には、「大型のルーフバルコニーがついている」など最上階限定のプランが採用されている場合があります。一般的に、特別な造りになっている最上階の住戸は、毎月かかる管理費・修繕積立金といった維持費が、ほかの階より高くなるものです。
希望に合う最上階の住戸が見つかった際には、物件の価格と併せて管理費・修繕積立金もチェックしましょう。

マンションの最上階はこんな人におすすめ

マンションの最上階は、特に上からの騒音が気になる人や、将来、売却の予定がある人におすすめです。
眺望や日当たりといったメリットは、最上階でなくても、高層階であれば手に入れることができるものです。しかし、上からの騒音を気にせずに暮らせる部屋は、最上階しかありません。
また、将来マンションの売却や住み替えを検討しているのであれば、人気が高い最上階の部屋は、中古物件として売り出す際にも有利です。

マンションの最上階は魅力的だが、買う際は慎重に

マンションの最上階には、日当たりや眺望、上階の物音を気にしなくてもいいといったメリットがあります。しかし、実際に購入する際は、夏の暑さなどのデメリットも考慮して、慎重に検討するべきでしょう。
住戸の良し悪しは、どのようなライフスタイルを送りたいかによって異なります。最上階を含め、物件を選ぶ際には、自身の生活にとってメリットが大きいかどうかについて考えることが大切です。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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