マンションが売れない理由は?原因とスムーズに売却するコツを解説


マンションを売りたいけれど、なかなか買い手が現れないということがあるでしょう。物件価格、物件の状態、依頼している不動産業者など、マンションが売れないのには、さまざまな原因があります。マンションが売れないときは、無暗に価格を下げるのではなく、まずは原因を探り、それに応じた適切な対処をすることが大切です。
ここでは、売れないマンションの特徴や、売却をスムーズにするための対策をご紹介します。

マンションが売れない原因5つと対策

マンションが売れない原因と、その対策をご紹介します。自身のマンションにあてはまることがないか、一つひとつ確認していきましょう。
マンションが売れない原因は下記の5つです。

  • 販売価格が高い
  • 売り出していることが認知されていない
  • 同じマンション内で似た物件が売られている
  • 築年数が古い
  • 部屋の管理状態が悪い

それぞれの原因と対策について、詳しくご紹介します。

1 販売価格が高い

中古マンションの販売価格は、近隣物件の相場価格に大きく左右されます。近隣の物件でスペックが同じマンションより販売価格が高いと、買い手はつきにくくなるでしょう。
また、中古マンションの購入を検討している人は、マンションの価格だけでなく、管理費や修繕積立金などの支払いを含めて、総合的に判断するものです。

物件価格がそれほど高くないにもかかわらず売れないときは、管理費や修繕積立金の金額も確認する必要があります。近隣の売り出し物件よりも管理費や修繕積立金が高額な場合、建物の価格が相場どおりであっても敬遠される可能性があります。
まずは、近隣の類似物件の価格や管理費・修繕積立金がいくらに設定されているのかを調査してみましょう。結果によっては、物件価格の値下げや、管理費・修繕積立金の見直しをおこなう必要があります。

2 売り出していることが認知されていない

マンションを売りに出していることが知られなければ、当然、問い合わせが来ることはありません。売り出しが周知されていない場合、原因は広告手法の問題や、宣伝が足りていないことにあると考えられます。
不動産会社に売却を依頼している場合は、どのような取り組みをおこなっているのか確認してみましょう。現状の売り出し方に不満や不足を感じた場合、インターネット上のポータルサイトにおける物件情報の掲載や、広告チラシのポスティングなど、積極的な宣伝をしてくれるよう、不動産会社に働きかけるべきです。
要望を伝えたにもかかわらず改善が見られない場合は、媒介契約が切れるタイミングで不動産会社を変えるという方法もあります。

3 同じマンション内で似た物件が売られている

同じマンション内でも、独身者向けの1LDKとファミリー向けの3LDKであれば、競合になる心配はありません。しかし、同じマンション内で、似た間取りの物件が複数売りに出されている場合、買い手の取り合いになってしまうおそれがあります。

ほかの部屋よりも価格を下げるのは簡単ですが、相手も価格を下げた場合、物件価格が安くなりすぎてしまう可能性があります。
売却を急いでいないのであれば、競合物件と売却時期をずらして売り出すことも検討しましょう。ほかの物件が売れるまで待つことになりますが、大幅に値下げするリスクを避けることができます。

4 築年数が古い

ホームインスペクション

築年数が20年以上の古いマンションの場合、安全性や快適性を買い手が不安がってしまう可能性があります。築年数が古い物件の場合、「ホームインスペクション」を利用することで、客観的にマンションの状態をチェックしてもらい、買い手の安心につなげることができます。
ホームインスペクションとは、住宅の設計・施工に詳しい建築士などの専門家に建物の劣化具合や補修が必要な箇所がないかなどをチェックしてもらう検査のことです。
診断費用はかかるものの、「ホームインスペクションを受けている」という点をウリにすることができます。築年数の古い中古マンションを売却する際には、有効な手段だといえるでしょう。

5 部屋の管理状態が悪い

内覧までは進むが、なかなか売却が決まらないというときは、室内を清潔に保てていないなど、部屋の管理状態に問題があるといえるでしょう。また、荷物が多いと、狭い印象を与えてしまいます。
水まわりを中心に、部屋全体の掃除をおこなうとともに、整理整頓をしてすっきり見せる努力をしましょう。光が差し込むレースのカーテンにする、明るい照明をつけるといった工夫でも、部屋の印象を良くすることができます。

なお、自身では修復できない傷がある場合、内覧希望者に正直に申告しておいたほうがスムーズに話が進むでしょう。リフォームをして直すという方法もありますが、リフォームにかかる費用の分、値引きをしたほうが購入者がつきやすい可能性もありますので、検討してからおこなうべきです。

すでに住んでいない部屋を売却するときはホームステージングも有効

ホームステージング

「ホームステージング」とは、インテリアを配置することで、物件をより良いものに見せる方法のことです。すでに住んでいない部屋の場合、ホームステージングをおこなうことでスムーズに売却できる場合があります。魅力的なインテリアを置くことで、部屋全体のグレードをワンランク高く見せることができるでしょう。
ホームステージングをおこなう場合は、レイアウトなどを提案してくれる専門業者に依頼する方法があります。ただし、新たに家具を購入する場合や業者に依頼する場合、費用対効果が期待できるか、確認した上でおこなうようにしましょう。

一度売却をやめる、という選択肢もある

さまざまな対策をとってもどうしても売却がうまくいかない場合は、「早く売る」ということに固執しすぎず、一度売却を取りやめるという選択肢にも目を向けてみましょう。

マンションの売却は、タイミングによってスムーズに決まる場合と、そうではない場合があります。希望どおりの売却ができないのであれば、賃貸に出して収入を得ながら、タイミングがめぐって来るのを待ったほうがいいこともあるでしょう。また、自分たちや家族が住み続けるという選択肢もあります。

というのも、マンションは売り出し期間が長期化すると、物件を探している人に「売れ残り物件」という印象を与えてしまうリスクがあります。一度、販売を取り下げた物件を新たに売りに出す際は、再び新着物件として宣伝することも可能です。
切迫した理由がないのであれば、売却だけに固執するのではなく、選択肢を広く持つのもいいのではないでしょうか。

マンションが売れない原因を突き止めて早期に対策をとろう

マンションは、売れないまま放置していると、どんどん売りづらくなっていってしまいます。売れない原因がどこにあるのかを早期に突き止めて対策をとるようにしましょう。価格の見直しや不動産会社の選定、室内の管理など、積極的に行動することで、よりスピーディーに、より好条件での売却を目指してください。
同時に、対策をしても売れない場合や、同じマンション内に売り出し物件が多いなどの悪条件がある場合は、一度売り出しをやめる勇気も大切です。タイミングを待つことで、希望どおりの売却を実現できる可能性もあるでしょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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