マンションの内廊下と外廊下の違いとは?メリット・デメリットを紹介


マンションの住戸とエレベーターや階段などをつなぐ廊下には、「内廊下」と「外廊下」の2種類があります。廊下が建物内部に設置されている内廊下のタイプのマンションと、外部に設置されている外廊下のタイプのマンションとでは、普段の暮らしや防災面でどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、内廊下と外廊下の違いのほか、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

マンションには内廊下と外廊下がある

マンション共用部の廊下には、内廊下と外廊下、2つのタイプがあります。まずは、それぞれどのようなタイプの廊下なのか、確認しておきましょう。

内廊下

内廊下

マンションの建物内に作られているタイプの廊下を内廊下といいます。内廊下は、建物の外には面していません。ホテルの廊下をイメージするとわかりやすいでしょう。

外廊下

外廊下

外廊下は、建物の外に設置されている廊下です。外気にさらされていることから、開放廊下と呼ばれることもあります。

マンションの内廊下のメリット

マンションの内廊下には下記のようなメリットがあります。

  • 外気の影響を受けにくい
  • ホテルライクな雰囲気を演出できる
  • 外から見られにくい

まずは、マンションの内廊下のメリットをご紹介します。

外気の影響を受けにくい

内廊下の大きなメリットとして、外気の影響を受けにくいことが挙げられます。内廊下は、建物の内部にあるので、雨や風が吹き込んでくることはありません。そのため、風雨による汚れを気にしなくていい点もメリットといえるでしょう。空調を利かせているマンションであれば、暑さや寒さを感じずにマンション内を移動できます。

ホテルライクな雰囲気を演出できる

内廊下であれば、廊下のデザインやインテリアを工夫することができます。ホテルライクな内廊下を設置することで、ラグジュアリーな雰囲気を演出しているマンションも多いでしょう。

外から見られにくい

内廊下のタイプのマンションであれば、廊下を移動している様子や、住戸に入っていく様子などが見られません。外から見られていないか、神経質にならなくても良い点はメリットといえるでしょう。

マンションの内廊下のデメリット

マンションの内廊下のデメリットは下記のとおりです。

  • 空調や照明の分、管理費が高くなる
  • においや煙がこもる
  • 災害時の被害が大きくなるリスクがある

続いては、マンションの内廊下のデメリットについて見ていきましょう。

空調や照明の分、管理費が高くなる

マンションの内廊下には、外の光が差し込みません。昼間も暗くなるため、常に明かりが必要となります。また、空調を利かせる場合、電気代がかかるでしょう。
内廊下タイプのマンションの場合、こういった照明や空調などの光熱費を、共益費・管理費で負担する必要があります。

においや煙がこもる

マンションは、基本的に、24時間換気設備が導入されています。とはいえ、内廊下は外廊下に比べると、空気の入れ替えがしにくく、住居から漏れ出た食事のにおいなどがこもることがあるでしょう。

災害時の被害が大きくなるリスクがある

火災が起きた場合、内廊下のマンションですと、煙やガスが建物内に充満してしまうリスクが高くなります。

マンションの外廊下のメリット

マンションの外廊下には、内廊下とは異なるメリットがあります。

  • 通気性が良い
  • 採光性が良い
  • 災害時のリスクが低く、廊下側からも救助を受けられる

一つずつ、ご紹介します。

通気性が良い

通気性の良さは、外廊下最大のメリットといえるでしょう。外側に面しているため、においや湿気が廊下にこもる心配がありません。

採光性が良い

日光が入りやすいことも外廊下の特徴です。廊下側に窓がある部屋であれば、時間帯によって室内に明るい陽射しが入り込んできます。

災害時のリスクが低く、廊下側からも救助を受けられる

災害時、外廊下の場合は、煙が廊下に充満するリスクがありません。また、消防車やはしご車によって、廊下側から救助を受けることもできます。

外廊下のデメリット

外廊下のデメリットは下記のとおりです。

  • 外気の影響を受ける
  • 風が強い日の扉の開閉が大変になることも
  • 外から様子が見られる

続いて、外廊下のデメリットについて見ていきましょう。

外気の影響を受ける

外廊下のデメリットは、風雨や雪などの影響を受けやすいことが挙げられます。大雨の日は、廊下を移動しているだけで濡れてしまう可能性があります。また、砂やほこりで汚れやすくなりますので、こまめな掃除が必要です。

風が強い日の扉の開閉が大変になることも

外廊下の場合、風が強いと扉の開閉が困難になることがあります。特に小さな子供や高齢者など、力に自信がない人は、強風の日、扉の開閉に一苦労することもあるでしょう。

外から様子が見られる

マンションによりますが、外廊下は外部から様子が見える場合があります。
廊下を移動している様子や部屋に入る様子などが外から観察できる場合は、外からの目線を意識しておく必要があるでしょう。

マンションの内廊下と外廊下にはそれぞれの良さがある

マンションの内廊下と外廊下には、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。どちらが魅力的だと感じるかは、ライフスタイルや生活する上で何を重視するかによって異なるでしょう。
これから物件探しを予定している人は、ご紹介した内廊下・外廊下の特徴を考慮した上で、より快適に暮らせるマンションを選んでください。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

Top