マンションの内覧会でチェックすべきポイントは?当日の持ち物や流れ


新築分譲マンションを購入すると、引き渡しの前に内覧会に参加することができます。
ここでは、マンション内覧会の目的や、内覧会でチェックするべきポイントのほか、当日の持ち物や流れについてご紹介します。また、入居後に不具合に気づくといったことがないよう、内覧会を成功させるコツについてもご紹介します。

内覧会でチェックするポイント

マンションの内覧会の目的

マンションの内覧会とは、施行が終わった時点で、売主から引き渡される前に、買主が仕上がりをチェックするための機会として設けられています。内覧会では、実際に自分が購入する部屋に入って、打ち合わせどおりに施工されているか、また、不具合がないかどうかを確認することが可能です。
もし、問題があった場合は、引き渡し前に修繕をおこなってもらうことができます。

マンションの内覧会でチェックするべきポイント

マンションの内覧会でチェックするべきポイントは主に、下記の7つです。

  1. 間取り図・設計図どおりか
  2. 床が水平か、壁は垂直か
  3. クロスがはがれている箇所や隙間がないか
  4. 玄関ドアの開閉、インターホンの動作は正常か
  5. 水まわりに問題がないか
  6. 換気扇が正常に機能しているか
  7. フローリングに傷はないか、異音はしないか

続いては、マンションの内覧会でチェックするべきポイントをご紹介します。

1.間取り図・設計図どおりか

内覧会には、間取り図や設計図を用意して、可能な範囲で設計どおりに作られているかを確認しましょう。玄関から順に、部屋の中と間取り図を見比べながら進みます。クローゼットの位置やコンセントの位置、窓の高さ、キッチンの高さなどをチェックしましょう。

2.床が水平か、壁は垂直か

水平器を用いて、床が水平であるかどうか確認しましょう。また、三角定規などを使って、床と壁が垂直になっているかも確認してください。水平や垂直を計れるスマートフォンのアプリを利用するのもおすすめです。

3.クロスがはがれている箇所や隙間がないか

室内のクロス(壁紙)は、すべての部屋でしっかり確認をしましょう。隅や継ぎ目がはがれていたり、隙間が空いていたりすることがあります。また、汚れや接着剤のはみ出しの有無も、併せてチェックしてください。

4.玄関ドアの開閉、インターホンの動作は正常か

玄関扉の開閉がスムーズにできるかどうかや、インターホンは正常に動作するかなどもチェックしておく必要があります。

5.水まわりに問題がないか

キッチンやトイレ、お風呂場、洗面台など、水まわりはすべて、一度水を流してみましょう。水はスムーズに流れるか、水勢に問題はないかなどをチェックします。浴槽に水を溜めてから排水をしてみるなど、排水に問題がないかも確認してください。
また、蛇口を閉めているのに水がポタポタと漏れたり、部品のつなぎ目から水が染み出してきたりしていないかも確認しましょう。

6.換気扇が正常に機能しているか

換気扇を回して異音がしないか、またスムーズに作動するかをチェックしましょう。正常に機能しているかどうかは、家庭用ティッシュペーパー1枚(2枚重ねの状態でOK)をあてて、貼りつくかどうかで確認できます。キッチンだけでなく、トイレなどの換気扇も忘れずに確認してください。
また、共用廊下やバルコニーに出て、外部の排気口から空気が排出されているかどうかも見ておきましょう。

7.フローリングに傷はないか、異音はしないか

フローリングに傷があったり、歩いたときに軋んだりしないか、すべての部屋を歩いて確認しましょう。

マンションの内覧会の持ち物

マンションの内覧会に参加する際には、以下の持ち物を用意することをおすすめします。

マンション内覧会での持ち物

■マンション内覧会に必要な持ち物と用途

持ち物 用途
間取り図・設計図のコピー 設備の配置や間取りに問題がないかを確認するときに使う
メジャー 部屋の採寸に使う
デジタルカメラ・スマートフォン 部屋の内部の様子や修繕が必要な箇所などを写真に撮るために使う
水平器(またはスマートフォン) 床が水平であるかどうかを確認するために使う
三角定規(またはスマートフォン) 床と壁が垂直になっているかどうかを確認するために使う
スリッパ 内覧時に床を傷つけないために着用する
タオル 水まわりのチェックなどで、手が濡れたときに使う
家庭用ティッシュペーパー 換気扇の吸い込みをチェックするために使う

マンションの内覧会当日の流れ

マンションの内覧会に、売主や建築業者、もしくは仲介業者が立ち会う場合の、当日の流れをご紹介します。

  1. 共用部の確認
  2. 室外設備の使用説明
  3. 室内の各設備機器類の使い方説明
  4. 室内のチェック
  5. 補修箇所の確認と再内覧の日程調整

内覧会当日の進行は業者によって異なりますが、一般的な進め方を見ていきましょう。

1. 共用部の確認

担当者の案内で、エントランスや駐車場、郵便受け、宅配ボックスなど、共用部分の案内を受けます。使い方の説明などを、よく聞いておきましょう。
なお、共用部の確認は、最初ではなく最後におこなわれることもあります。

2. 室外設備の使用説明

メーターボックスなど、室外に設置された設備の説明がおこなわれます。

3. 室内の各設備機器類の使い方説明

室内に設置されたキッチンや換気扇といった設備機器の使い方の説明を受けます。

4. 室内のチェック

室内に不具合や問題がないかをチェックします。問題があった部分はチェックシートに記入しましょう。チェックシートは、一般的に業者が用意してくれたものを使います。

5. 補修箇所の確認と再内覧の日程調整

補修が必要な箇所を確認し、修繕をおこなってもらいます。修繕完了後は、改めて日程調整の上、再内覧をおこないます。
再内覧会では、内覧会時の指摘箇所が直っているかどうかの確認と、新たな傷等ができていないかをチェックします。

マンションの内覧会を成功させるためのコツ

マンションの内覧会は、物件の状態を最終確認するチャンスです。住み始めてからの修繕は、日程調整が大変ですし、修繕内容によってはアフターサービスの対象外になってしまう可能性もあります。
下記のコツを押さえて、内覧会を成功させましょう。

  • 遠慮をしない
  • 時間に余裕を持つ
  • 冷静さを失わない

最後に、マンションの内覧会を成功させるためのコツを一つずつご紹介します。

遠慮をしない

内覧会は不具合や気になる部分を確認するためにおこなうものですから、「こんなにあちこち見たら疑っているようで悪いかな?」と思う必要はありません。遠慮なくチェックをおこない、気になる部分や不安なところはどんどん担当者に質問しましょう。

時間に余裕を持つ

時間を気にしながらチェックをしていると、問題点を見逃してしまう可能性が高まります。安心して引き渡してもらうためにも、時間の余裕を持ってチェックをおこなうようにしてください。できる限り、その後の予定を入れないのがおすすめです。

冷静さを失わない

初めて購入する場合は特に、マンションの部屋に足を踏み入れた瞬間、ついつい興奮や感動が先に立ってしまうこともあるでしょう。しかし、内覧会では冷静さを失わず、チェックすべきポイントをしっかり見て回りましょう。一人ではなく、できるだけ家族全員で参加すると、それぞれの視点から確認がおこなえます。

マンションの内覧会はしっかり準備をして成功させよう

内覧会に参加する際には、当日になって慌てることがないよう、事前にチェックするポイントを確認して、持ち物を準備しておくことが大切です。
また、内覧会の当日、業者が同席する場合は遠慮せず、積極的に質問をしたり、不明点を確認したりするようにしてください。そのためにも内覧会の前日はゆっくりと休んで、備えるようにしましょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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