マンションの購入は、物件探しから始まり、購入申込み、住宅ローンの審査、契約・引き渡しといった流れで進み、さまざまな手続きが必要となります。
ここでは、住宅ローンの申込みや登記の手続きなど、どのような順番で何をしたらいいのか、マンション購入の流れをご紹介します。併せて、用意すべき書類や必要になる費用についても確認しましょう。
新築マンション購入の流れ
まずは、住宅ローンを組んで新築マンションを購入する際の、一般的な流れについて見ていきましょう。
新築マンション購入の流れは下記のとおりになります。
- 物件探し
- モデルルーム見学
- 住宅ローンの事前審査の申込み
- 購入申込み
- 売買契約
- 住宅ローンの本審査の申込み
- 引き渡し
1つずつ確認していきましょう。
1. 物件探し
インターネットの住宅情報サイトなどを利用して、「立地」「広さ」「間取り」「予算」など、自分の条件に合う物件を探します。
2. モデルルーム見学
条件に合うマンションが見つかったら、モデルルーム見学に行ってみましょう。この際に、物件の周辺環境をチェックするのもおすすめです。
3. 住宅ローンの事前審査の申込み
気に入った物件が見つかったら、住宅ローンの事前審査を申し込みましょう。事前審査とは、住宅ローンを組むための基準を満たしているかを確認するための審査であり、基本的には売買契約を結ぶ前ならいつでも受けることができます。ただし、不動産会社によっては、事前審査を通過しないと、購入申込みを受けつけない場合があります。
また、事前審査では合否の判断だけではなく、銀行の借入可能額を知ることができますので、早めに申し込んで資金計画に役立てるのがおすすめです。
4. 購入申込み
購入したい物件が決まったら、不動産会社や販売会社に購入申込みをします。人気の物件では、購入希望者が重なることがあるため、先着順もしくは抽選で購入者を決めるのが一般的です。希望の物件が決まった段階で、申込み方法を確認するようにしましょう。
申込みの際に、数万円の申込証拠金が必要な物件もありますので、こちらも事前に確認してください。
5. 売買契約
購入できることが確定したら、次は売買契約です。売買契約当日には、重要事項説明書が交付され、宅地建物取引士によって、物件や契約内容に関する重要事項説明がおこなわれます。説明を受けたのち、売買契約を締結して手付金を支払います。
6. 住宅ローンの本審査の申込み
事前審査に通り、物件の売買契約を済ませたら、住宅ローンの本審査に申し込みます。本審査に通過すれば、住宅ローンの契約の手続きをおこなうという流れです。
7. 引き渡し
引き渡しの日には、購入価格から手付金などを引いた残代金の支払いがおこなわれます。残代金の支払いにおいては、買主が住宅ローンを組んだ金融機関が、売主の指定口座に一括で振り込むのが一般的です。支払いが確認された時点で、売主から買主へ、物件の所有権や鍵の引き渡しがおこなわれます。
中古マンション購入の流れ
続いては、中古マンションを購入する際の、一般的な流れをご紹介します。
- 物件探し・物件見学
- 住宅ローンの事前審査の申込み
- 購入申込み
- 売買契約
- 住宅ローンの本審査の申込み
- 引き渡し
一つずつ見ていきましょう。
1. 物件探し・物件見学
中古マンションの場合も、インターネット上の住宅情報サイトなどで物件を探すことができます。
希望の物件が見つかり、見学する場合、不動産会社を介して売主と日程調整するのが一般的です。
2. 住宅ローンの事前審査の申込み
購入したい物件が決まったら、新築マンションと同じく、住宅ローンの事前審査に申し込みましょう。
3. 購入申込み
中古マンションの購入申込みは、「購入申込書」を不動産会社に提出することでおこないます。購入申込書には、価格など、購入希望条件を記すことができます。
4. 売買契約
売買契約では、新築マンションと同様、重要事項説明書の確認と手付金の支払いをおこないます。
5. 住宅ローンの本審査の申込み
新築マンション購入と同様に、住宅ローンの本審査の申込み手続きをおこないます
6. 引き渡し
住宅ローンの審査に通ったら、引き渡しをおこないます。中古マンション購入時の引き渡しには、売主、買主、不動産会社、金融機関の担当者、司法書士などが同席するのが一般的です。残代金の支払いのほか、司法書士への登記手続きの委任もおこなわれます。
マンション購入で押さえておきたいポイント
続いては、マンションを購入する際に、押さえておきたいポイントをご紹介します。
売買契約は不動産会社でおこなわれる
一般的にマンション購入の売買契約は、不動産会社の事務所でおこなわれます。また、新築マンションの場合は、モデルルームや展示場などで物件を確かめた後、そのまま契約を結ぶ場合があります。
重要事項説明書の記載内容は?
売買契約時に交付される重要事項説明書には、主に下記の内容が記載されています。
- 土地建物の所有者や所在地、面積など、購入する物件に関する内容
- マンションの共用部分と専用部分等の規約の定めなど、管理規約の内容
- 住宅ローンや瑕疵担保責任など、取引条件に関する内容
売買契約時に用意するもの
売買契約の際には、主に下記のようなものを用意します。
- はんこ(シャチハタ印は不可)
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、各種健康保険証など、本人の住所、氏名、生年月日の確認できるもの)
- 手付金(不動産会社によって異なる)
- 売買契約書に貼りつける印紙代(物件価格によって異なる)
- 中古マンション購入の場合、仲介手数料の半額(割合は不動産業者による)
- 源泉徴収票または確定申告書の写しなど、収入証明書
- 住民税決定通知書または納税証明書
売買契約時に必要な書類を準備するときは、勤務先や不動産会社に用意してもらったり、区役所などで発行してもらったりすることになります。余裕を持って準備するようにしましょう。
マンション購入でおこなう登記
マンション購入の際におこなわれる登記には、下記のようなものがあります。
- 所有権保存登記:新築マンション購入時に、マンションが誰の所有物かを明確にするためにおこなう
- 所有権移転登記:中古マンション購入時、マンションの所有権が売主から買主に移ったときにおこなう
- 抵当権設定登記:住宅ローンを組んでマンションを購入するときにおこなう
なお、登記は司法書士に依頼するのが一般的です。登記をおこなう際にかかる登録免許税や、住民票の写しといった必要書類を準備する費用のほか、司法書士に依頼する費用がかかります。
引き渡し当日に渡される保証書は大切に保管する
マンション引き渡しの当日は、マンションの設備機器の保証書などが渡されます。保証書には定期点検とアフターメンテナンスの内容や時期、設備などが故障した場合の連絡先などが書かれていますので、内容を確認の上、大切に保管しましょう。
給湯機器や冷暖房機器の使用方法、定期点検やアフターメンテナンスはいつまで無償で受けられるのかなど、気になる点は不動産会社の担当者に確認するようにしてください。
引き渡しのときに用意するもの
マンション引き渡し手続きの際には、下記のようなものを準備しておく必要があります。
- はんこ(シャチハタ印は不可)
- 印鑑証明書
- 本人確認書類
- 住民票
- 通帳・届出印・キャッシュカード(ローンを組んだ金融機関のもの)
- 売買代金(手付金額を差し引いた分)
- 諸費用(仲介手数料・登記費用など)
- 固定資産税・都市計画税・管理費・修繕積立金の精算金
マンション購入の流れを把握し、事前準備を万全にしよう
マンションを購入する際には、さまざまな手続きが必要になり、住宅ローンの審査など、時間がかかる場合があります。
マンション購入をスムーズに進めるためにも、全体の流れを把握して、必要書類などをしっかり準備してください。
監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。