マンションに引っ越したらまずは挨拶。挨拶の範囲や時間帯は?


引越しの際は、旧居と新居の近隣住人の両方へ挨拶をするのがマナーとされています。マンション住まいの場合も、引越し後に近隣住人と良好な関係を築くため、そしてトラブルなく集合住宅で暮らしていくためにも、できる限り引越しの挨拶はしておいたほうがいいでしょう。
しかし、いざ引越しの挨拶をするとなると、挨拶する範囲や時間帯、不在だったときの対応、手土産についてなど、どうしたらいいか迷ってしまうことも多いと思います。
ここでは、マンションへ引っ越した際の近隣への挨拶についてご紹介します。

マンションの引越し時に挨拶をする理由

最近では、集合住宅へ引っ越しても、近隣住人へ挨拶はしないという人も少なくありません。しかし、同じマンション内にどんな人が住んでいるのかを知り、良好な人間関係を築くためにも、引越しの挨拶をすることは大切です。
なぜ、マンションへ引っ越したときに挨拶をしたほうがいいのか、その理由を見ていきましょう。

お互いにどんな人が住んでいるかを理解できる

マンションにおける引越しの挨拶は、隣や上下の部屋の住人に、自分がどんな人なのかを知ってもらうためにするものです。また、近隣にどんな人が住んでいるのかを知るという意味でも大切です。

自分について知ってもらう必要性としては、特に小さい子供やペットがいる場合に重要になってきます。小さい子供やペットがいると、生活音などで迷惑をかけてしまう可能性があるからです。自分たちの家族構成やペットの存在を知ってもらえれば、後々のトラブル防止にもつながるでしょう。

また、引越しの挨拶をして近隣にどんな人が住んでいるのかを知ることは、安心感にもつながります。自分の家庭と同じような家族構成だったり、少し気難しそうな人だったりといったことを知っておくだけで、どんなことに気をつければいいのかがわかるでしょう。周囲にどのような住人がいるのか把握することは、生活する上での参考になります。

挨拶

今後の円滑なコミュニケーションのため

引越しの挨拶をすれば、近隣住人からの印象が良くなる可能性は高くなります。その後も円滑なコミュニケーションをとりやすくなるでしょう。
日頃から簡単な挨拶や会釈をして関係を築いておくことで、災害などの緊急時やトラブル発生時にも、お互いに頼りやすくなります。

旧居を出る際にも挨拶を

引越しの挨拶と聞くと、引越し先の新居でおこなうイメージがあるかもしれません。しかし、引越しのときは、旧居を出るときにも挨拶することをおすすめします。特に、旧居で近隣住人との付き合いが深かったり、お世話になったりしたことがある場合は、お礼を伝えておくことで気持ちよく引っ越せるでしょう。

また、引越し作業での騒音やトラックの駐車など、近隣住人に迷惑をかけてしまう可能性もあります。旧居の引越し挨拶では、あらかじめ引越し日を知らせておき、迷惑がかかるかもしれないことを伝えることもできるのです。
その場合、できるだけ早めに挨拶を済ませておきましょう。引越し当日はなかなか挨拶の時間がなく、訪問しても不在の可能性もあるからです。スケジュールに余裕を持って、引越し日の1週間前には挨拶回りを済ませてください。

マンションでの引越しの挨拶はどうすればいい?

では、新居に引っ越した後は、どのように挨拶をすればいいのでしょうか。続いては、引越しの挨拶の範囲やタイミングのほか、会話の内容、不在だった場合の対処法、手土産について紹介します。

新居での挨拶の範囲

マンションの場合、引越しの挨拶をする範囲は、新居の上下左右の部屋が基本です。上の階の住人に挨拶することは、下の階に引っ越してきたことを知らせて、生活音に配慮してもらいたいという意味もあります。
また、下の階と左右の住人には、「生活音でご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」といったことを、挨拶とともに伝えるといいでしょう。

挨拶をする時期

引越しの挨拶をするタイミングとして最適なのは、引越し当日の荷物の積み下ろしを始める前です。引越し当日は、荷物でマンションの通路をふさいだり、搬入で音を立てたりして、近隣住人に迷惑をかけてしまう可能性があるからです。
荷物の積み下ろしを始める前に挨拶をしておけば、搬入作業で迷惑がかかるかもしれないことを伝えつつ、自然に挨拶ができるでしょう。
引越し当日に挨拶ができなかった場合は、入居から1週間以内を目安に、できるだけ早めに済ませることをおすすめします。

挨拶に適した時間帯

引越し当日に挨拶できればいいですが、難しい場合は休日(土日)の昼間に挨拶するのがいいでしょう。早朝と夜遅くは避け、午前10時~午後5時を目安に挨拶するようにします。
土日の日中が難しい場合、平日・休日ともに午後7時~午後8時なら、さほど迷惑にはなりにくいでしょう。午後9時以降の遅い時間帯の挨拶は避けるべきです。

引越しの挨拶の方法

引越しの挨拶をする際には、できるだけ家族全員で訪問することと、1、2分で簡単に済ませることがポイントです。その理由についてご説明します。

・挨拶はできるだけ家族全員で
引越しの挨拶は、できるだけ家族全員で訪問しましょう。1人で挨拶するよりも家族全員のほうが、相手からも信頼されやすくなります。
また、自分の家庭と同世代の子供がいる家庭なら、引越しの挨拶をきっかけに良好な関係を築きやすくなります。近隣の住人に子供の顔を覚えてもらえば、防犯対策としても安心です。

・時間は1、2分で簡単な自己紹介程度に
引越しの挨拶は、長話にならないよう注意しましょう。引越しの挨拶は、相手にとって突然の訪問ですから、できるだけ早く終えることが大切です。自然に話が弾んだのであれば問題ありませんが、基本的には簡単に自己紹介をして、長くても3分程度で済ませましょう。
話が弾んだときは、自己紹介のほかにも、気になるマンションの生活ルールなどを聞いてみるといいかもしれません。

訪問先が不在の場合

引越しの挨拶では、訪問先の住人が不在のケースもあります。相手の都合によっては、居留守を使われることもあるかもしれません。
訪問先が不在だった場合は、曜日や時間を変えて再度訪ねてみましょう。それでも不在だったときは、手紙をポストか郵便受けに入れておきます。手土産がある場合は、手紙といっしょに入れておきましょう。
手紙は「◯号室に引っ越してきました◯◯です。よろしくお願いいたします」といった簡単なメッセージで問題ありません。

手土産の渡し方

手土産は必要?

引越しの挨拶の際は、簡単な手土産を用意すると印象も良くなります。手土産は500~1,000円程度の品で、お菓子や洗剤、タオルなど、日持ちする品や生活用品がおすすめです。好みが分かれやすい物は避けたほうが無難です。
なお、手土産には、自分の名前を書いたのしをつけることをお忘れなく。

引越しの挨拶は今後の近所付き合いのためにも大切

引越しの際の挨拶は、マンション内のコミュニティで円滑な関係を築くための第一歩といえます。自分たちのことを知ってもらい、近隣住人のことも知ることで、その後の暮らしやすさやトラブル回避にもつながります。マナーや注意点を押さえた上で挨拶しましょう。
引越し後も、マンション内では近隣住人と顔を合わせるシーンは多くなります。日常的に挨拶する習慣をつけることで、より良い関係が作れるでしょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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