マンションにエアコンを設置するには?最適なサイズの選び方


夏場・冬場ともに欠かせないエアコン。快適に生活するには必須の家電ですが、マンションの部屋に設置するには管理組合に連絡をしたり、部屋のサイズに合ったエアコンを選ぶ必要があったりと、ただ設置するだけでなく、対応すべきことがいろいろとあります。
ここでは、マンションの部屋にエアコンを設置する場合に確認すべきポイントや、部屋に合ったエアコンの選び方について解説します。

マンションの部屋にエアコンを設置したいと思ったら

マンションにエアコンを設置したいと思ったら、まず何を確認すればいいのでしょうか。エアコンの設置スペースやエアコンのタイプなど、確認しておきたいポイントについて見ていきましょう。

エアコンを設置できるかどうか確認

まずは、エアコンを設置したいと思っている部屋に、エアコンを設置できるかどうかを確認しましょう。
一般的なエアコンを設置するには、ベランダなどに室外機を置けるスペースが必要です。また、室内の壁に、エアコンスリーブがあるかどうかを確認しましょう。エアコンスリーブとは配管用の穴のこと。このエアコンスリーブを通して、室内機と室外機をつなげます。
これらの条件がそろっていれば、基本的には問題なくエアコンを設置できるでしょう。

エアコンスリーブがなければ工事を検討

エアコンを設置したい部屋にエアコンスリーブがなければ、壁に穴を開けて新たにエアコンスリーブを作ることもできます。ただし、マンションでエアコンスリーブのような穴を開ける工事をする場合、管理組合に許可をとらなければなりません。無断で工事せずに、エアコンスリーブを開けてもいいか、必ず管理組合に相談しましょう。

契約電流とコンセントを確認

エアコンを使うためには、最低30Aの電気容量が必要といわれていますので、契約している電気容量を確認しておきましょう。電気容量の増幅工事が必要な場合、マンションの管理組合による許可が必要となる可能性があります。
また、エアコン専用のコンセントがあるかどうかも、確認しておきたいポイントです。エアコンは使用電力が大きいため、ほかのコンセントと併用すると熱を持ってしまい、最悪の場合は火災につながる可能性もあります。

なお、管理規約などが理由でエアコンが設置できない場合、窓に設置するウィンドウエアコンを使うという方法もあります。
通常のエアコンよりも稼働音が大きめだったり、電気代が高くなりやすかったりするデメリットはありますが、エアコンスリーブのない部屋や、室外機の設置スペースがない部屋でも設置できるという点が魅力です。配管用の穴も不要なので、管理組合から工事の許可を得る必要もありません。

ウィンドウエアコン

ビルトインエアコンを設置したい場合

天井などに埋め込むタイプの、ビルトインエアコンにしたいという人もいるでしょう。ビルトインエアコンは、一般的なエアコンのように室内機が壁から出ている状態にならないため、部屋をすっきりとした印象にしてくれます。また、上方から部屋全体に風を送ることができ、広い部屋でも室温調整をしやすいというメリットもあります。

しかし、新たにビルトインエアコンを設置する場合は、天井の工事が必要です。さらに、マンションの天井は、直天井タイプと二重天井タイプに分けられますが、直天井タイプの場合は天井裏に空間がないため、基本的にビルトインエアコンを設置することはできません。
二重天井の場合、天井裏に高さ20cm程の空間があれば、ビルトインエアコンを設置することができます。ビルトインエアコンを設置したいときは、まず管理組合に工事が可能か確認した上で、専門的な知識や実績が豊富な施工業者に相談し、天井などの調査をしてもらいましょう。

賃貸の場合は管理会社に確認

賃貸マンションの場合は、大家や管理会社の許可なくエアコンを設置することは避けましょう。自分の所有する物件ではないため、壁に穴を開けたりコンセントを増設したりすることはできません。また、マンションによっては、エアコンの設置を担当する業者が決まっている場合もあります。
エアコンを設置したい場合は、まず大家や管理会社に確認するようにしてください。

部屋に合ったエアコンのサイズの選び方

エアコンは、設置する部屋の広さに応じて適切なサイズが決まっています。エアコンのサイズが部屋の広さに合っていないと、室温調整がうまくいかなかったり、無駄に電気代がかかったりしてしまうため、適切なサイズを選ぶことが大切です。
ここでは、部屋に合ったサイズのエアコンを選ぶ必要性と、エアコン選びのポイントについてご紹介します。

部屋のサイズに合っていないと電気代が増える

部屋の広さに合っていないエアコンを使い続けると、トラブルが起こりやすく、結果的に電気代が増えることにつながります。
エアコンのサイズが部屋に合っていない場合のトラブルには、下記のようなことが考えられます。

<部屋よりもエアコンのサイズが小さい場合>

  • エアコンの効きが悪く、部屋がなかなか冷えない(暖まらない)
  • エアコンに負荷がかかりやすく、故障や寿命が縮む原因になる
  • フルパワーで運転しないと室温調整ができず、電気代が増える

<部屋よりもエアコンのサイズが大きい場合>

  • エアコンが効きすぎてしまうため、部屋が冷えすぎる(暖まりすぎる)
  • 冷房病などの健康被害のリスクがある
  • 大きいパワーを使うため、無駄に電力を消費しやすく、電気代が高くなる

サイズ表記に合ったエアコンを選ぶ

エアコンのトラブルを避けるには、適切なサイズのエアコンを選ぶ必要があります。エアコンのサイズはカタログなどに記載されていますが、このサイズ表記の読み方には注意が必要です。

例えば、「11~17畳」と表記されているエアコンの場合、適切なサイズは11畳から17畳までの広さの部屋ではありません。正しくは、木造和室の場合は11畳、鉄筋洋室の場合は17畳という意味です。木造住宅よりも鉄筋住宅のほうが密閉率は高いため、同じ広さでも適切なエアコンサイズが変わってくるのです。

サイズ表記の読み方を間違えると、部屋の広さに合っていないエアコンを選んでしまうことになります。マンションの場合は、鉄筋洋室のサイズで選びましょう。

部屋の条件を考慮する

エアコンのサイズを選ぶ際には、部屋の広さ以外にも、建物の構造や部屋の条件も考慮する必要があります。同じ広さの部屋でも、建物の構造や部屋の向きによっては、風通しや日光の入り方が変わってくるため、室温にも差が生じるのです。
エアコンの負担を軽くするためにも、エアコンを選ぶ際には下記のような条件も考慮しましょう。

  • 窓の向き、数、大きさ
  • 断熱性や遮熱性の高さ
  • 寒冷地などの地域環境
  • リビング、寝室など部屋の用途

エアコンを購入する際、これらの条件を店員に伝えれば、より適切なエアコン選びができます。

部屋の条件を考慮する

DKやLDKには大きめのサイズのエアコンを

ダイニングキッチン(DK)やリビングダイニングキッチン(LDK)のように、キッチンが同じスペースにある間取りはよく見られます。このDKやLDKに設置するエアコンのサイズは、部屋全体の広さだけで判断しないようにしましょう。

理由としては、火を使うキッチンは室温が変化しやすい上、換気扇を回すと冷房や暖房の空気が逃げやすいということが挙げられます。室温の変化が激しい分、エアコンの負担も大きいため、サイズが小さい場合には電気代も増えやすいのです。
DKやLDKはエアコンを長時間運転することもあるため、部屋の広さに対して大きめのサイズを選ぶことをおすすめします。

DKやLDKには大きめのサイズのエアコンを選ぶ

マンションのエアコン設置は管理規約を必ず確認しよう

マンションでエアコンを設置しようと思ったら、必ず管理組合に確認するようにしましょう。賃貸マンションであれば、大家か管理会社にまずは連絡をします。
また、部屋に適したサイズのエアコンを選ぶことも重要です。リビングキッチンや寝室など、部屋の間取りや用途によって適切なサイズは変わってきますので、エアコンを購入する際には店員に相談して検討するといいでしょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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