マンションの和室を上手に使おう!インテリアや収納のコツ


和室とは、一般的に畳を敷き詰めた部屋のことを指します。マンションを購入する際、和室が必要であるのか、また和室があったとしてもどのように利用するべきか迷ってしまう人もいるでしょう。マンションの和室には畳の快適性などの魅力があり、工夫することでさまざまな使い方をすることができます。
ここでは、マンションの和室の魅力と、活用方法について解説します。

和室の魅力とメリット

マンション購入を検討する人の中には、住宅情報サイトなどで「和室のある物件」に条件を絞って検索する人がいます。マンションの和室にはどのような魅力があるのか、人気の秘密に迫ります。

畳の快適性

マンションの和室に敷かれた畳の色や、いぐさの香りは、気持ちをリラックスさせてくれます。また、畳には快適な空間を作り出してくれる吸湿効果や、夏には暑さを、冬には外の冷たい空気を遮る断熱効果があります。ほかにも、畳は弾力性に富んでいるため、ラグなどを敷かずに直接裸足で歩いたり寝ころんだりできる点も魅力です。

畳を活かして空間を活用できる

和室は、床が畳でやわらかいので、そのまま昼寝をしたり、正座をして洗濯物をたたんだりすることができます。また、来客時には布団を敷くことでゲストルームにすることも可能ですし、そのまま座れるので多くの人が集まったときも椅子の数を気にする必要がありません。

押入れの収納を活用できる

和室にある押入れは、天袋・上段・下段に分かれており、上部や下部がデッドスペースになりにくい点が魅力です。天袋には普段使わない物を、上段にはよく使う物を、下段には重い物をしまうなど、収納する物を工夫すれば使い勝手を良くすることができます。
また、つっぱり棒を設置したり、中に棚や衣装ケースを入れたりすることで、スペースを無駄なく使うことができます。

マンションの和室の使い方

畳が敷かれたマンションの和室は、洋室とは異なる方法で活用することができます。続いては、マンションの和室のさまざまな使い方をご紹介します。

主寝室

畳が敷かれた和室は、布団を敷いて主寝室として活用することができます。畳の弾力性やいぐさの香りは、快適な寝心地を演出する効果があります。

赤ちゃんの部屋

赤ちゃんがいる家庭では、和室を赤ちゃんのためのスペースにするのがおすすめです。
畳にはクッション性があるので、ベビーベッドがなくてもその場でおむつ替えをすることができますし、赤ちゃんがハイハイをしているときに転んでも衝撃が少ないので安全です。

ゲストルーム・客間

和室は、ゲストルームとして活用するのもおすすめです。前述のとおり和室なら、座布団を敷いてそのまま座れるので、たくさんの人が集まっても問題ありません。来客直後はゆったりしてもらうスペースとして案内し、寝るときにはそのまま布団を敷いて宿泊してもらうことができます。

趣味の部屋

和室を趣味のための部屋として活用する方法もあります。洋室とは異なる風情ある雰囲気で、お花や茶道、和楽器など、和服を着ておこなう趣味を楽しむことができます。また、畳にはクッション性があるので、汗を吸収する効果があるヨガマットなどをしいてヨガをおこなうのもおすすめです。

勉強部屋

和室は、勉強部屋にも向いているといえます。畳には吸音性があるので、静かな空間で集中して勉強に取り組めますし、リビングとひと続きの和室であれば、ふすまを半分開けておくことで、家族と適度なつながりを持ちながら勉強をすることも可能です。

マンションの和室をおしゃれに演出する方法

マンションの和室は、インテリアや間取りを工夫することで魅力的な空間として演出することができます。続いては、マンションの和室をおしゃれな空間にコーディネートする方法をご紹介します。

琉球畳や木格子で和モダンに

和室に琉球畳や木格子を使うと、和モダンな空間を作ることができます。障子やふすまの柄などにもこだわれば、古民家風のカフェのようなおしゃれな空間にすることも可能です。

モダンな要素をプラスする

和室に、あえてモダンなコーディネートを施すことで、おしゃれな空間を作ることができます。
畳のスペースにダブルベッドやソファ、観葉植物などを配することで、独特の雰囲気を演出できます。木材を使った落ち着いた色合いのベッドやソファであれば、和室の雰囲気を崩すことなく自然となじませることも可能です。

和室にモダンな要素をプラスすることでラグジュアリーな空間を演出するという手法は、旅館などでも取り入れられています。マンションの和室を、落ち着いた高級旅館のような一室にしてみるのもおすすめです。

和室

フローリングとひと続きの空間にする

洋室のすぐ隣に和室があり、廊下や扉で仕切られていない場合は、間仕切りやふすまを外したり、開け放ったりすることで連続したひと続きの空間として利用することができます。
例えば、リビングのクッションと畳スペースの座布団を同じ柄の物にしたり、家具を同系でまとめたりすることで、空間に統一感を持たせることも可能です。
さらにこだわるのであれば、洋室のフローリングの色と畳の色を、同系色にするという方法もあります。

家具は低めの物がおすすめ

和室に置く家具は、背の高くない物を選ぶことで、部屋全体をすっきりと見せることができます。
和室は畳に座って過ごすことが多いので、目線が低くなります。背の高い家具があると、圧迫感を感じやすくなるでしょう。

押入れの収納方法

押入れ

前述のとおり和室の押入れは、天袋、上段、下段の3つで構成されています。
押入れの使い方に決まりはありませんが、それぞれの段に適切な物を収納することで、空間を無駄なく使うことができるでしょう。天袋、上段、下段それぞれの、おすすめの収納方法をご紹介します。

天袋

高い位置にある天袋には、普段はあまり使わない物を収納するのがおすすめです。頻繁に見返すことのない思い出の品や、冠婚葬祭に使うバッグ類、レジャー用品などをしまうのに適しています。

上段

出し入れがしやすい高さにある上段には、布団など重い物を収納するのがおすすめです。客用布団がある場合は、ここにしまいましょう。また、布団がない場合は、つっぱり棒を使ってクローゼットのように使うこともできますし、衣装ケースやカラーボックスなどを使って空間を仕切れば、衣類や雑貨類を収納することもできます。

下段

押入れの下段は耐荷重を気にする必要がありませんが、上段と比べて物を出し入れしづらい段でもあります。例えば、季節の家電である扇風機やヒーターなど、ある程度重さがあり、シーズンオフの物などを収納するのに適しています。
また、背の低い子供は下段が使いやすいので、子供のおもちゃなどをしまうのもおすすめです。なお、キャスターつきの衣装ケースなら、出し入れも簡単です。

マンションで和室から洋室、洋室から和室にリフォームする際の費用

マンションの和室を洋室にする場合、または洋室を和室にする場合、元の床材を張り替えるのか重ね貼りにするのか、また、どのような床材を選ぶのかなどによって、リフォームの費用が変わります。
最後に、和室を洋室に、または洋室を和室にリフォームする場合の費用をご紹介します。

和室から洋室へのリフォーム

和室から洋室へのリフォームで、畳を撤去して無垢フローリングに張り替える場合の費用は、20万~30万円程度(8畳)になります。ただし、押入れをクローゼットに、ふすまを洋扉に、壁や天井を洋風にと、リフォーム箇所が増えれば、その分だけ費用もかさみます。

洋室から和室へのリフォーム

洋室から和室へのリフォームで、フローリングをはがさずに上から畳を敷くのであれば、畳本体の価格と設置費用、家具移動などの調整費用を合わせて、費用総額は10万~30万円程度(8畳)になります。一方、フローリングをはがして畳を敷く場合は、30万~50万円程度かかるでしょう。
また、クローゼットを押入れにしたり、壁を漆喰にしたりする場合は、さらに費用がかかります。

マンションの和室は、工夫すればおしゃれな空間になる!

マンションの和室は、さまざまな用途で活用できる便利な空間です。配置するインテリアを工夫すれば和モダンで落ち着いた空間にすることができますし、押入れの収納を有効活用することも可能です。
インテリアや収納など、ご紹介した方法を参考にしていただき、和室を快適な空間にしてみてはいかがでしょうか。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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