マンションの専用庭はこう使う!利用方法と注意点も解説


マンションの専用庭とは、その庭に面した部屋に住む居住者が利用できる庭のこと。マンション1階部分に設けられており、ガーデニングやアウトドアを楽しむなど、さまざまな使い方が可能なスペースです。
ただし、専用庭はあくまでもマンションの一部。使い方によっては近隣住民とトラブルになることもあるため、注意が必要です。
ここでは、マンションの専用庭とはどのようなものなのか、どう使えばいいのか、利用の際にはどんなことに気をつければいいのかを解説します。

マンションの専用庭は共用部分

専有部分と共用部分

マンションの専用庭は、「専用」という言葉が入っていても、居住者が所有している部分ではありません。区分所有権の対象となる専有部分には含まれず、エントランスやエレベーターと同じ共用部分であるとされています。マンションの共用部分は、居住者だけが利用する権利を持っているという扱いです。

専用庭は共用部分の一部なので、バルコニーなどと同じように、各マンションの管理規約に従って利用する必要があります。例えば、専用庭に植えられている樹木を伐採するなど、勝手に改変することはできません。その点は、一戸建て住宅の庭とは異なります。

マンションの専用庭の利用方法

マンションの専用庭の利用は管理規約で認められる範囲に限られるとはいえ、魅力あるスペースであることは確かです。マンションの専用庭の、主な利用方法を4つご紹介しましょう。

  • ガーデニング・家庭菜園
  • 布団や洗濯物を干す
  • アウトドア気分を満喫する
  • 季節を味わう

1 ガーデニング・家庭菜園

ガーデニングや家庭菜園が楽しめるのは、専用庭ならではのメリットです。スペースが限られているバルコニーでは栽培が難しい植物も、ある程度の広さがあり、日当たりのいい専用庭なら育てることができます。

ガーデニングや家庭菜園をするにあたっての注意点は、専用庭を耕して本格的な畑を作ってしまうと、規約違反になる可能性があることです。また、マンションによっては地植えを禁止している場合もあります。ガーデニングや家庭菜園を始める前に必ずマンションの管理規約を確認し、もし地植えが禁止ならプランターを利用しましょう。
マンションの専用庭にはプランターや鉢植えを置くことはできますので、季節の花をはじめ、好きな草花や野菜を育てることができます。

2 布団や洗濯物を干す

マンションの専用庭では、一般的なバルコニーよりも広いため、たくさんの洗濯物を一度に干すことができます。布団やアウトドア用品といった大きな物も広々と干せますし、日当たりや風通しがいいため、早く乾きます。

3 アウトドア気分を満喫する

マンションの専用庭にレジャーシートを広げたり、簡易テントやテーブルセットを出したりすれば、自宅でキャンプを楽しむことができます。本格的なキャンプと違って大掛かりな準備も必要なく、小さな子供たちにとっては、秘密基地のような楽しみ方ができるでしょう。

しかし、マンションの専用庭では火の使用を禁止しているマンションが多いため、専用庭でバーベキューや花火をしたい場合は、管理規約を確認する必要があります。また、ウッドデッキの設置なども制限されている場合があるため、管理規約を確認してみてください。

4 季節を味わう

マンションの専用庭は、子供にとって季節を楽しむ場所としても最適です。例えば、春はミニピクニック、夏はプールでの水遊び、冬は雪遊びなどが楽しめます。
専用庭で折り畳み式のテーブルや椅子を広げ、秋の虫の音を楽しみながら読書をしたり、春の日射しを感じながらくつろいだりと、四季を肌で感じられるのは、専用庭の魅力のひとつでしょう。

なお、ペット可のマンションの場合、広い専用庭でペットを走り回らせてあげたくなりますが、ペットの飼育はマンションの居室内に限るとしているマンションがほとんどです。その場合、専用庭で遊ばせるのは管理規約違反になるため、注意しましょう。

マンションの専用庭を利用する際の4つの注意点

さまざまな使い方ができ、多くのメリットがあるマンションの専用庭ですが、利用する際に注意すべきこともいくつかあります。ほかの住民とのトラブルを防ぐためにも、次の4つの点について注意するようにしましょう。

  • 近隣住民への配慮
  • 防犯面での不安
  • 専用庭の手入れが必要
  • 上階からの落下物の可能性

1 近隣住民への配慮

管理規約を守って専用庭を利用していても、マンションにはほかにも居住者がいる以上、その人たちへの配慮は必要です。例えば、バーベキュー可の専用庭でも、夜遅くまで騒いでいればほかの住民の迷惑になってしまいますし、昼間であっても、「バーベキューのにおいや煙が気になる」という居住者がいるかもしれません。また、子供の遊んでいる声がうるさいといわれてしまうことも考えられます。
過度に意識する必要はありませんが、管理規約内での利用といえども、常に配慮は必要となるでしょう。

2 防犯面での不安

マンションの専用庭が道路に面している場合、道路との境目には塀や生垣、フェンスなどが設置されているのが一般的です。ただし、隣の専用庭との仕切りはフェンスや背の低い間仕切りのみという場合も多いですし、専用庭は上階から丸見えになります。さまざまな人に見られる可能性があるため、あまりプライベートな空間とはいえません。
また、道路側からは塀などで見えにくくしていること自体はいいのですが、見えにくくしているということは、不審者が侵入しやすいということでもあります。防犯やプライバシーを守るための対策を考えておく必要があるでしょう。

3 専用庭の手入れが必要

専用庭は共有部分にあたるので、たとえ使わなくても手入れが必要になります。手入れを怠って雑草が生い茂れば見栄えも悪いですし、夏場には虫などが発生して隣近所に迷惑をかけてしまいます。家の中やバルコニーと同じように、こまめな手入れを欠かさないようにしましょう。

4 上階からの落下物の可能性

マンションの専用庭には、上階から物が落ちてくることも考えられます。風に飛ばされた洗濯物などであれば、管理室に届ければ問題ありませんが、時にはタバコの吸い殻など危険な物が落ちてくることもあるでしょう。危険な落下物があった場合、マンションの管理組合では対策をしてくれることが多いですが、住民のバルコニーでの行動を監視するわけにはいかない以上、落下物を完全になくすことはできません。
上階からの落下物に対し、1階の住民が対策できることはさほどありませんが、落下物があるかもしれないという認識は持っておきましょう。

上階からの落下物

利用に少しでも不安があるときは管理組合規約を確認

マンションの専用庭は、共用部分の一部ではありますが、専有庭に面する住戸の住人だけに利用する権利があるスペースです。ガーデニングを楽しんだり、アウトドア気分を満喫したりと、さまざまな使い方ができます。しかし、使い方によっては管理規約違反となり、近隣住民とトラブルになってしまう可能性もあるかもしれません。
専用庭の使い方に何か不安があった場合は、必ず管理組合の規約を確認し、ルールを守りながらほかの居住者にも配慮して使うようにしましょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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