新築マンションでも値引きできる?その条件と値引き額の相場を解説


マンション購入は、人生における大きな買い物のひとつ。より高額になる新築マンションを購入する場合は特に、少しでも値引きしてもらいたいところです。また、ここ数年はマンションの価格相場は上昇傾向にあります。そのような状況であっても、新築マンションを値引きしてもらうことはできるのでしょうか。
ここでは、新築マンションの価格を値引きしてもらいやすくなる条件や値引き額の相場のほか、値引きが難しいマンションをお得に購入するポイントなどを解説します。

新築マンションの購入金額を値引きしてもらうための5つのポイント

そもそも、新築マンションは、値引きしてもらえないという印象を持っている人も多いかもしれません。しかし、場合によっては、新築マンションでも値引きをしてもらえる可能性はあります。
新築マンションを値引きしてもらうためのポイントは次の5つです。

  • 完成物件は値引きできる可能性がある
  • モデルルームとして使われていた部屋を選ぶ
  • 需要がない時期や決算時期に交渉
  • 売れにくい要素がある部屋を選ぶ
  • 住宅ローンの事前審査をしておく

まずは、これらのポイントについて詳しくご紹介します。

完成物件は値引きできる可能性がある

新築マンションの入居者募集は、竣工前から始まっています。しかし、値引きできる可能性があるのは、すでに完成している物件です。完成しているにもかかわらず、まだ入居者が決まっていない住戸があれば、不動産会社としても早く売却したいもの。
また、空室がある状態で近隣に競合の新築マンションが建つと、さらに売れる可能性が低くなってしまいます。少し値引きしてでも早めに売却してしまいたいと考えることもあり、このような状況であれば値引きをしてもらえる可能性があります。

モデルルームとして使われていた部屋を選ぶ

マンションの竣工後、入居者が決まっていない部屋をモデルルームとして活用する場合もあります。モデルルームは多くの人が出入りしたり、ドアを何度も開閉したりするため、厳密には新築という扱いではありません。

そのため、モデルルームとして使われていた部屋は、モデルルーム価格として値引きされて販売されるケースもあります。ただし、モデルルーム価格はすでに値引きされた価格であるため、それ以上の値引きは難しくなります。

需要がない時期や決算時期に交渉

新築マンションの価格を値引きしてもらえる可能性は、買い手(需要)の少ない時期のほうが高くなります。新生活の始まる4月や9月が近くなると買い手が増えて需要も高まり、値引きの可能性も低くなりますが、交渉しやすいのは買い手の少ない時期である6月や12月です。競争率が低くなるため、値下げ交渉もしやすくなるでしょう。

また、不動産会社の決算である3月を狙って、2月末頃に購入希望を出すという方法もあります。この時期は、営業担当者がノルマを達成したいと考えるタイミングでもあり、値引き交渉に応じてもらえる可能性もあるでしょう。
ただし、実際に値引きできるかどうかは、状況によって異なります。また、値引きの可能性が高い時期ばかりを狙ってしまうことで、自分に合った物件を見逃してしまわないようにしましょう。

売れにくい要素がある部屋を選ぶ

交通利便性の高いエリアや、商業施設などが多いエリアのマンションは、新築・中古を問わず人気があります。また、駅に近い物件や高層階、角部屋なども人気が高く、すぐに買い手が決まってしまいます。
反対に、都心から離れたエリアや1階の部屋、北向きの部屋などは、比較的売れにくい要素がある物件です。そのため、値引き交渉に応じてもらえるかもしれません。

ただし、このような物件を購入する場合、価格面だけでなく自分でも納得できる条件かどうかをよく考えることが大切です。購入して後悔することのないよう、安さだけを優先せずに、本当に住みたいと思える物件を選びましょう。

■値引きしてもらえる可能性のある物件

値引きしてもらえる可能性のある物件

住宅ローンの事前審査をしておく

住宅ローンの事前審査をした上で、「値引きをしてもらえるのであれば購入します」という前向きな意思表示をすれば、値引きに応じてもらえることがあるかもしれません。
住宅ローンの事前審査に通過し、マンションを購入するには支障がなさそうだということを証明できれば、不動産業者側も値引きに応じやすくなるでしょう。

新築マンションはどれくらい値引きできる?

新築マンションの購入価格の値引きは必ずできるわけではありませんが、条件次第では可能です。しかし、値引きが可能であっても、相場を大きく上回る値引きを要求してしまっては、値引き自体を断られてしまうかもしれません。
新築マンションはどれくらいの金額であれば値引きできるのか、確認しておきましょう。

値引き相場は本来の価格の最大1割程度

新築マンションが、どの程度の値引きが可能なのかは、不動産会社やマンションの状況によって変わってきますが、一般的には最大で本来の価格の1割程度だといわれています。2割から3割程度の値引きをしてもらえる物件もないわけではありませんが、長期間売れ残っているといった場合に限られます。

また、値引き交渉のしやすさや値引き額は、景気の状況によっても左右されます。景気が良いときは買い手が増えて競争率も高くなるため、値引きは難しくなります。一方で、景気が悪くなると買い手が減って、値引きに応じてもらいやすくなるのです。

価格の端数を切る

新築マンション購入価格の端数を切るのも、値引きの方法のひとつです。例えば、4,850万円の購入価格であれば、端数の50万円を切った4,800万円で値引きを交渉してみると、応じてもらえる可能性があるでしょう。
不動産会社によっては、端数を切った値引き交渉を想定した上でマンションを販売している会社もあります。

値引きできないマンションをお得に買う方法

あと少し値引きしてもらいたいのに、どうしても値引きには応じてもらえない物件はもちろんあります。また、すでに値引き済みで、もう価格を下げることができない場合もあるでしょう。
値引きが難しいマンションをできるだけお得に購入するための、2つのポイントをご紹介します。

モデルルームの家具をつけてもらう

物件によっては、モデルルームとして使っていた部屋の家具をサービスとしてつけてくれる場合があります。
広告上では、モデルルームとして使用していた部屋限定のサービスということになっていますが、実際にはほかの部屋でも同様に、家具をサービスとしてつけてもらえることもあります。

オプションを無料でつけてもらう

値引きは難しくても、オプションを無料でつけてくれる不動産会社もあります。マンションのオプションとは、造りつけの棚などのインテリアや食器洗浄機などの設備のことで、本来ならば追加料金を支払ってつけてもらうものです。
価格交渉で値引きが難しいと感じた場合は、このようなオプションでサービスしてもらうことはできないか交渉してみるのもひとつの手です。

値引き額とマンションの条件を踏まえて購入を判断しよう

条件や交渉の仕方次第で、新築マンションでも値引きをしてもらえる可能性はあります。
しかし、値引きをしてもらえるからといって、価格の安さだけで購入を決めるのはリスクがあると考えたほうがいいでしょう。値引きができる物件は、同じエリアのマンションと比べて条件が悪いといった、相応の理由があると考えられるからです。
価格だけでなく、物件の条件にも納得した上でマンション購入を考えましょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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