マンションで物干しができる位置はなぜ低い?効率的に乾かす方法


マンション住まいであれば、外で洗濯物を干す場所はベランダになります。しかし、マンションのベランダは、一戸建てのベランダよりもスペースが狭かったり、物干し竿をかける位置が低かったりと、不便に感じることもあるのではないでしょうか。
ここでは、マンションで物干しができる位置を低くしている理由と、マンションのベランダで効率的に物干しをする方法について解説します。

マンションのベランダで物干しをする際の注意点

マンションのベランダの多くはスペースがあまり広くなく、奥行きや幅にも制限があります。物件によっては、洗濯物を干すにも苦労する造りになっている場合もあるでしょう。また、マンションのベランダは、物干し竿をかけられる位置が低くなっていることもよくあります。
まずは、ベランダで洗濯物などを干す場合の注意点について、確認しておきましょう。

ベランダは避難経路にもなる共用部分

マンションのベランダは、緊急時の避難経路になる場所でもあります。居住者の専有部分ではなく、マンションの共用部分です。そのため、原則としてベランダを勝手に改造することはできません。物件によってはベランダに物を置くことを禁止している場合もあります。
また、洗濯物の干し方や干す場所について、ルールを設けているマンションもあります。ベランダを使う前に、まずは管理規約をよく確認しましょう。

風で飛ばされないように注意

特にタワーマンションのような高層マンションのベランダで洗濯物を干す場合、風で飛ばされないようにする対策は必須です。
風が強い日は外で干すのを避けるか、風で飛ばされないようにする対策を徹底しなければ、洗濯物が飛ばされたり、落下してしまったりして、周囲の住民に迷惑をかける可能性もあります。
物を干す際は洗濯ばさみなどでしっかり固定するほか、管理規約で禁止されていないようであれば、落下防止ネットを設置してもいいでしょう。

マンションのベランダでは物干しができる位置を低くしている理由

マンションのベランダでは、多くの場合、物干しができる位置を低くしています。この位置の低さにもいくつか理由があります。

安全性の問題

高層階になると風も強くなるため、洗濯物が飛ばされてしまうこともあります。マンションのベランダで物干しができる位置が低かったり、そもそもベランダで洗濯物を干すことを禁止していたりする高層マンションもありますが、その理由は洗濯物の落下による事故を防ぐためでもあるのです。

美観を損ねる

マンションによっては、ベランダに洗濯物が干されていると美観を損ねるという理由で、物干しができる位置を低くしたり、洗濯物を干したりすることを禁止しているところもあります。
特に、高級感をウリにしているタワーマンションなどでは、洗濯物が外から見えて生活感が出てしまうのは避けたいという考えがあります。マンションのイメージダウンは、資産価値にも影響を与えてしまうのです。
中には、タワーマンションでもベランダで洗濯物を干してもいい物件もあります。これは、マンションの規約によって異なるため、入居前に確認しておくことをおすすめします。

マンションで物干しを効率的におこなう方法

マンションのベランダのスペースは限られていますが、それでも洗濯物はしっかりと乾かしたいものです。ここでは、マンションのベランダで効率的に物干しをするためのポイントをご紹介します。

乾きやすい物は室内干し

洗濯物が多い場合は、室内で干す物とベランダで干す物に分類しましょう。その際、靴下や下着などの小さくて乾きやすい物は室内干し、大きい物や乾きにくい物はベランダ干しといったように、分けるのがおすすめです。
室内干しをすると、洗濯物のにおいが気になるかもしれませんが、室内干し用の洗剤を使うなどしてみましょう。

干し方を工夫する

効率的に洗濯物を干すには、ベランダでの干し方も工夫してみましょう。
例えば、Tシャツやタオルは、そのまま物干し竿にかけると少量でもかなりのスペースを使ってしまいますが、ハンガーやハンガーホルダー、バスタオルハンガーなどを使えば、無駄なスペースを省くことができます。一定の間隔を空けて洗濯物を干せるため風通しも良く、乾きやすくなります。
また、複数の洗濯ばさみやピンチハンガーを使ってジグザグに干すことで、狭いスペースでも効率的に干すことができます。洗濯物を上から見てV字やW字に見えるように、洗濯物を吊るしていきましょう。

干し方を工夫

ベランダの状況に合わせて物干しスタンドを変える

スペースが限られているベランダで洗濯物を干す場合は、物干しスタンドを活用することをおすすめします。物干しスタンドにはいくつか種類があるため、ベランダの広さや構造に合わせて選んでください。
物干しスタンドは、主に下記の3種類があります。

・スタンドタイプ
スタンドタイプの物干しスタンドは、置き型と折りたたみ型があります。
置き型は安定感があり、構造上たくさんの洗濯物を干せる点がメリットです。スタンド自体が大きく幅もとるため、比較的スペースに余裕があるベランダに適しています。
折りたたみ型も置き型と同様にある程度のスペースが必要になりますが、使用時以外はコンパクトにたたんでおくことができます。

スタンドタイプの物干し

・手すりや壁に取りつけるタイプ
手すりに設置するタイプの物干しスタンドであれば、手すりよりも高い位置に洗濯物を干せるようになるため、日光や風があたりやすくなります。ベランダの上の空間を活用できるようになりますが、洗濯物が飛ばされないようにする必要があります。念のため、管理規約を確認しておきましょう。
壁に設置するタイプの物干しスタンドも、ベランダの上の空間を活用できます。物干しスタンドを床に置かずにすむため、広さにゆとりがないベランダでも使うことが可能です。ただし、壁に穴を開けて取りつける必要があるため、取りつけが問題ない場合に限られます。

手すりや壁に取りつけるタイプの物干し

・突っ張り棒タイプ
突っ張り棒タイプの物干しスタンドは、ポールをベランダの床と天井に固定して、そこに物干し竿を設置します。このタイプは、あまり奥行きのないベランダでも設置できる点がメリットだといえるでしょう。また、物干し竿を上下2段で設置できるタイプもあります。
いずれの物干しスタンドも、基本的には常にベランダに出したままになるため、耐久性が高い素材を選ぶことが大切です。紫外線による劣化やさびにくい、ステンレスタイプなどがおすすめです。

突っ張り棒タイプの物干し

マンションの規約を守って効率的に物干しを

広さに制限があるマンションのベランダでも、物干しスタンド選びや干し方を工夫することで、洗濯物を効率的に干すことが可能です。
マンションのベランダの使い方や洗濯物の干し方には、管理規約でルールが設けられている場合もあるため、トラブルにならないよう、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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