マンションの坪単価を知るメリットは?物件選びのポイントや注意点


マンションの坪単価は、マンションを購入するときの目安のひとつにすることができます。
「このスペックでこの坪単価ならお買い得といえる」「坪単価を見るとほかの階と比べて割高である」といったように、坪単価を知ることで専有面積の異なる2つのマンションの価格や同じマンション内の住戸の価格を比較することが可能です。
ここでは、マンション購入時に坪単価を知るメリットや、坪単価の計算方法をご紹介します。また、坪単価のほかに意識したい、マンション選びのポイントについても紹介しましょう。

マンションの坪単価とは?

マンションの坪単価とは、マンションの1坪あたりの価格のことです。なお、坪とは尺貫法の単位であり、畳2畳分、約3.3㎡の広さに該当します。
例えば、10坪(約33㎡)のマンションの価格が3,000万円の場合、坪単価は300万円となります。スペックや広さが同じマンションであっても、エリアによって坪単価は異なるものです。

また、同じマンションであっても、部屋ごとに坪単価は異なります。例えば、同じマンション内の同じ間取りの住戸であっても、1階と最上階では通常、最上階のほうが坪単価は高くなります。これは、最上階の部屋は、眺望の良さなどの理由で、1階より人気があるため価格が高く設定されるからです。

マンションの坪単価の計算方法

マンションの坪単価

マンションの坪単価は、マンションの価格を坪数で割って算出します。
20坪(約66㎡)で3,000万円のマンションの坪単価は下記のとおりです。

3,000万円÷20坪=150万円/坪

マンションの物件広告などでは、面積が「◯㎡」で記載されている場合が多いですが、その場合は面積を3.3で割ることで、おおよその坪数を知ることができます。
なお、坪単価は、新築マンションの価格目安として利用されることがあります。一般的に新築マンションの価格は、全住戸の販売価格の合計額と専有面積の合計値をもとに算出した、平均坪単価を目安とします。

マンションの坪単価を知るメリット

マンションの坪単価を知るメリットは、主に下記の2つがあります。

・マンション購入時にマンション選びの基準にできる
・マンション売却時に売却価格の相場がわかる

それぞれ、詳しくご紹介します。

マンション購入時にマンション選びの基準にできる

マンションの坪単価

坪単価を知ることで、広さの異なるマンションの価格を比較することができます。例えば、あるエリアのマンションAは20坪で4,000万円、マンションBは10坪で3,000万円であったとします。Aは坪単価200万円、Bは坪単価300万円となり、販売価格はAのほうが高いですが、坪単価で比べるとBのほうが高いことがわかるでしょう。
住宅設備など、そのほかの条件も比べてみて、AとBで差がないと感じた場合、Bは割高であると判断することができます。なお、同じマンション内の住戸の価格設定を比較する際にも、坪単価を目安にすることが可能です。

マンション売却時に売却価格の相場がわかる

マンションを売却する際にも坪単価が役立ちます。近隣にある、広さや築年数などが同じマンションの坪単価をひとつの目安として、売却価格を設定することができるでしょう。

マンションの坪単価をチェックする上での注意点

坪単価が安い、あるいは高いと感じたときは、その理由について考えてみましょう。続いては、マンションの坪単価をチェックする際に意識しておきたいポイントをご紹介します。

坪単価の安いマンションはスペックをチェックする

同じエリア・同じ築年数のほかのマンションと比べて坪単価が安いマンションを見つけたときに、「お得だ!」と飛びつくのは早計といえるでしょう。坪単価が安いマンションはなぜ安いのか、住宅設備などをチェックすることが大切です。

そのほか、同じマンション内でも「この部屋とこの部屋を比べると、こちらのほうが坪単価は安い」というケースもあるでしょう。同じマンション内の坪単価は、階数や日当たりなどによって変わります。
また、1LDKと3LDKなど、そもそもの広さが異なる部屋を比べた場合は、狭い部屋のほうが広い部屋よりも坪単価が高くなる場合があります。これは、一般的に部屋自体が広くなっても、水まわりなど住宅設備の建築コストは変わらないことが要因です。

坪単価が高いマンションにはそれだけの理由がある?

坪単価が高い場合も、安い場合と同様、何らかの理由があると考えられます。
同じエリアで同じ築年数のほかのマンションと比べて坪単価が高いということは、住宅設備が充実しているなど、条件が良い可能性があります。また、デザイン性を追求した結果、坪単価が高くなるというケースもあるでしょう。
注意点としては、坪単価が高いマンションが、本当に自分にとって価値があるマンションであるかということです。マンションの価値は坪単価を目安にしつつ、自分がどのような設備やデザイン性を求めているのか、照らし合わせて判断することが大切です。

マンションの坪単価の相場を紹介

続いては、2020年の東京23区の坪単価をご紹介します。東京23区の中でも坪単価が高いエリアである港区と、安いエリアである葛飾区をピックアップしました(※)。
それぞれの新築マンションと中古マンションの坪単価を比較してみましょう。

※国土交通省 土地総合情報システム「不動産取引価格情報(2019年第2四半期~2020年第1四半期)」

<新築マンションの坪単価相場>
・葛飾区:216.4万円
・港区:613.6万円

<中古マンションの坪単価相場>
・葛飾区:160.0万円
・港区:409.2万円

新築マンションの坪単価の相場について、港区は葛飾区の約2.8倍、中古マンションの相場についても港区は葛飾区の約2.6倍となっています。同じ23区であっても、大きく価格帯が違うことがわかるでしょう。港区は子育て支援が手厚いなどの理由で葛飾区より人気の土地であり、売買価格が高く設定されることがあるため坪単価が高くなるのです。また、港区のマンション購入を検討する人のニーズの影響で、住宅設備のコストが高くなる傾向があることも坪単価が高くなる理由のひとつといえるでしょう。

新築マンションの坪単価相場:マンションエンジン「葛飾区の相場情報」、「港区の相場情報
中古マンションの坪単価相場:ウチノカチ「葛飾区のマンション価格相場」、「港区のマンション価格相場

マンションは坪単価だけで判断しないことが大切

マンションを選ぶ際には、坪単価だけでなく周辺環境や住宅設備などを考慮の上、住み心地の良いマンションを選ぶことが大切です。続いては、マンション選びのポイントをご紹介します。

周辺環境がいいかどうか

マンションを選ぶ際には、スーパーやコンビニ、公園などの施設が近くにあるかどうかのほか、治安は良いか、夜道を帰る際に不安はないかといった周辺環境もチェックしましょう。

住宅設備が充実しているかどうか

「マンションの戸数に対してエレベーターの数は十分か」「宅配ボックスや駐輪スペースは足りているか」「ラウンジが設けられているか」など、共有スペースの設備が充実しているかどうかも、マンションを選ぶ際のポイントとなります。
マンション内の設備は日々の生活の快適さに関わるため、きちんとチェックするようにしてください。

坪単価もひとつの目安にしてマンションを選ぼう

マンションを購入する際には、坪単価をひとつの目安にするといいでしょう。また、坪単価と併せて、周辺環境や住宅設備などもチェックすることをおすすめします。
マンションを購入する際には後悔することがないよう、さまざまなポイントをチェックした上で慎重に選ぶようにしてください。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。


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