マンションの漏水の原因とは?慌てず対処する方法と被害を抑えるコツ


マンションで漏水が起きたときは、できる限り早く水を止めたり管理会社に連絡したりすることが大切です。マンションの漏水を放置すると建物の修繕工事が必要となるなど、被害が拡大化するリスクがあります。
ここでは、マンションで漏水が起こる原因や対処法のほか、漏水が起きたときに誰が責任をとるのかといった点についてご紹介します。また、漏水を防止するために、普段から意識しておきたいポイントについてもご紹介しましょう。

マンションの漏水のリスク

マンションにおける漏水は、戸建ての漏水とは少し状況が異なります。なぜなら、マンションは「複数の人が住んでいる共同住宅」だからです。
マンションのある住戸で漏水が起こると、隣接するほかの住戸にも被害が広がるおそれがあります。また、被害の度合いによっては大掛かりな工事が必要になるなど、戸建て住宅とは異なるリスクが考えられるのです。
マンションの漏水事故は、上階や下階の人との近隣トラブルに発展する可能性もありますから、迅速で適切な方法で対処する必要があります。

マンションの漏水の原因とは?

マンションの漏水の原因は、大きく3つに分けることができます。

  • 入居者の不注意
  • 設備や建物の老朽化や故障
  • 施行業者のミス

それぞれ、詳しくご紹介します。

入居者の不注意

漏水

マンションの漏水は、入居者の不注意によって起きる場合があります。
洗濯機の排水が詰まったり、ホースが抜けたりして水があふれてしまった場合や、雨が降っているときに窓を開けたまま出掛けてしまって床が水浸しになった場合など、さまざまな原因によって漏水が起こるリスクがあります。

設備や建物の老朽化や故障

マンションの築年数が古かったり管理状態が悪かったりすると、排水管や屋上部分の劣化などが原因で漏水が起こることもあります。

施行業者のミス

水道

リフォームをおこなった際に、給排水管のつなぎ目の締めつけが甘かったなど、施行業者のミスが原因で漏水が起こる場合があります。
頻繁に起こることではありませんが、施行業者のミスが原因で漏水が起こる可能性があることは覚えておくといいでしょう。

マンションの漏水事故を起こしてしまったら?

もし、自分がマンションの漏水事故を起こしてしまったら、すぐに対処する必要があります。
次の2つの場合に分けて対処法をご紹介します。

  • 自分の部屋が水浸しになっていた場合の対処法
  • 階下や管理会社から漏水について連絡があった場合の対処法

自分の部屋が水浸しになっていた場合の対処法

何らかの原因によって、自分の部屋が水浸しになっていて階下に漏水している可能性があるとわかったときは、下記のステップで対処してください。

Step1. 水を止める
Step2. 管理会社に連絡する
Step3. 修理業者に連絡する
Step4. 階下の家にお詫びをする

なお、Step3と4は、個人でおこなうのではなく、管理会社に相談した上でおこないます。勝手に修理業者に依頼したり、階下に連絡したりしないようにしましょう。
階下に被害があるかどうか、まずは管理会社に被害状況を確認してもらい、指示に従ってください。

階下や管理会社から漏水について連絡があった場合の対処法

階下の部屋や管理会社から漏水が起こっていると連絡が入った場合は、家の中に問題が起こっていないか確認することになります。
一見、問題がなさそうに見えても、床下の配管から水が漏れている可能性もありますから、「うちではない」と突っぱねるのではなく、原因調査に協力しましょう。

マンションの漏水事故の加害者になった場合、まずすべきこと

管理会社の調査の結果、下の階の住戸に被害を与えてしまったことがわかったらお詫びに行きます。簡単な物でも構いませんから、菓子折りなどを持参するのがマナーです。水漏れの翌日か翌々日頃までには訪問し、謝罪しましょう。
また、謝罪する際には、被害状況や困ったことなどを伺うようにしてください。なお、損害の補償については、管理会社を通して話し合うのが適切です。

マンションの漏水事故の被害者になった場合、まずすべきこと

漏水の被害者になってしまった場合も、まずは管理会社に連絡してください。漏水の原因は、必ずしも1つ上の階とは限りませんので、管理会社に連絡して原因を追求してもらうことが大切です。
漏水の原因を調査する際のポイントは、下記のとおりです。

  • 漏水が起きたとき、上階の人は在宅していたか
  • 在宅の場合、水を使っていたか
  • 漏水発生時の天気はどうだったか
  • 給排水管の清掃などをおこなった直後ではないか
  • 漏れてきた水はきれいな水か、汚水か

マンションの漏水事故は誰の責任?

マンションで漏水事故が起こった場合は、誰が責任をとるのでしょうか。次の3つのパターンに分けて解説します。

  • 入居者に原因がある場合
  • マンションの排水管の劣化が原因の場合
  • 建築工事やリフォーム工事における瑕疵が原因の場合

入居者に原因がある場合

入居者の不注意によって漏水が起こった場合、基本的には過失を起こした人の責任になります。漏水の原因となる人が、個人賠償責任保険に加入していた場合は、損害を与えた人に対する補償を保険でおこなうことができます。

マンションの排水管の劣化が原因の場合

漏水事故が入居者の過失によるものではなく、マンションの排水管の老朽化などが原因の場合は、漏水箇所の所有者が責任を負うことになります。
漏水箇所が共用部分であった場合は管理会社、専有部分であった場合は区分所有者の責任となります。
なお、漏水箇所が専有部分か共用部分かが明らかでない場合は、法律上、管理組合が責任を負う決まりです。

建築工事やリフォーム工事における瑕疵が原因の場合

マンションの建築工事や、中古マンションのリフォーム工事が原因で漏水が起こった場合は、工事をおこなった施工業者の責任となりますから、施工業者に賠償請求をすることになります。このような手続きも、基本的に管理会社を通しておこないます。

マンションの漏水対策

マンションで漏水を起こさないために、また、漏水が起こった際に慌てないために、日頃から意識しておきたいポイントは下記のとおりです。

  • 水まわりのメンテナンス
  • 管理会社の連絡先の確認
  • 加入している保険の補償内容の確認

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

水まわりのメンテナンス

洗面台やキッチン、浴室などの水まわりは、日頃からお手入れをして、ゴミや汚れを取り除いておきましょう。また、水が止まらない、流れが悪いなどの異常が見つかった場合は、早めにメンテナンスをすることが大切です。

管理会社の連絡先の確認

水漏れなどのトラブルが起こったときは、すぐに管理会社に連絡をする必要があります。慌てないためにも、スマートフォンの連絡先などに番号を記録しておきましょう。

加入している保険の補償内容の確認

漏水の加害者・被害者になったときのために、自分が加入している保険の適用範囲を確認しておくことも大切です。個人賠償特約の有無や水漏れの補償範囲について見直してみましょう。
併せて、管理組合が加入している共用部分の保険の適用範囲や、管理規約なども確認しておくと安心です。

万一のときのために漏水の対処法を知っておこう

マンションで漏水事故に遭ったときは、慌てずに素早く対処することが大切です。万が一のときに備えて、管理会社にすぐ電話ができるよう、連絡先を控えておくといいでしょう。
また、漏水事故の被害を最小限に抑えるために、日頃からメンテナンスをおこなうのがおすすめです。併せて、保険の補償内容などをチェックしておけば、漏水におびえずに、安心して暮らすことができるでしょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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