中古マンション購入の予算決め・物件探し・購入手順は?物件購入の流れを網羅的に解説


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中古マンションを購入するにあたって、全体の流れや必要な手続きを知らないままでは不安な点も多いはず。特に、お金の流れはしっかり把握した上で、購入までの手続きを進めたいところです。いつまでにどのような準備や手続きが必要なのかを把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。

そこで今回は、中古マンション購入の際の、物件探しから引き渡しまでの流れを解説します。

マンション購入は次のような流れになります。

Step1 購入予算を決める
Step2 中古マンションを探す
Step3 中古マンションの購入

Step1 購入予算を決める

まずは、資金やライフプランをもとに、中古マンションの購入予算を決めましょう。最初に予算を決めておくことで物件探しの軸が定まるため、効率的に物件探しを進めやすくなります。

中古マンションの予算を決めるにあたっては、頭金と住宅ローンの借入額を足して、そこから諸経費とリフォーム費用を差し引くイメージで考えてみましょう。

一般的に、中古マンションの頭金として物件価格の1~2割程度の支払いが求められるのは、契約時の手付金や仲介手数料、ローン保証料などの諸経費として使われるためです。

中には、頭金なしで諸経費も住宅ローンで支払う方法もありますが、この場合は金利が少し高めになったり、ローン審査が厳しくなったりするため、利用したい住宅ローンのタイプを踏まえて予算を決めることが大切です。

Step2 中古マンションを探す

中古マンションの購入予算が決まったら、物件探しに入ります。物件の情報収集や内見のポイントを見ていきましょう。

情報収集・問い合わせ

まずは、物件情報が掲載されているポータルサイトなどで中古マンションを探し、気になる物件から問い合わせをしていきます。問い合わせをすると不動産会社から連絡があるので、内見を予約するという流れになります。中古マンションの場合、まだ売主が住んでいるというケースも多く、内見は予約が必要です。

候補となる物件数が多すぎると内見にも日数がかかってしまうため、候補を3~4件程度に絞って問い合わせることをおすすめします。なお、中古マンションは同じ物件を複数の不動産会社で取り扱っていることもあります。

中古マンションの物件探しは、物件情報が掲載されているポータルサイトなどを利用する以外にも、仲介会社に依頼することもできます。仲介会社によっては、その地域の物件の売り出し情報をポータルサイトよりも早く出しているところもあるため、気になる地域の仲介会社を利用してみてもよいでしょう。

中古マンションの内見

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中古マンションの内見当日は、間取りや日当たりなどの基本的な条件以外にも、収納スペースや設備の使いやすさなど、図面や写真からはわからない点も確認しておきましょう。

マンションの内見では、住戸だけでなく共用スペースや敷地内もチェックしておきます。併せて、管理規約や長期修繕計画書の内容も確認しておきたいところです。

内見で疑問点や気になるところがあれば、不動産会社の担当者に聞き、売主に確認してもらいます。また、マンションそのものだけでなく、周辺環境もチェックしておきましょう。

Step3 中古マンションの購入

内見を終え、購入したい物件が決まったら、購入手続きへ進みます。住宅ローン審査から購入申込み、引き渡しまでの流れを確認していきましょう。

中古マンションの購入は次のような流れになります。

  1. 住宅ローン審査
  2. リフォーム見積もり
  3. 購入申込み
  4. 価格交渉
  5. 売買契約
  6. 物件の重要事項説明
  7. 契約締結
  8. 手付金支払い
  9. 諸手続き・物件引き渡し
  10. 最終確認
  11. 残代金精算の支払い
  12. 諸費用の支払い
  13. 残代金の支払い(住宅ローンの融資実行)
  14. 不動産登記申請
  15. 鍵の引き渡し

1.住宅ローン審査

中古マンションの売買契約後に住宅ローンが利用できず、キャンセルになってしまったという事態を避けるために、不動産会社に仲介してもらい、金融機関による住宅ローン融資の事前審査を受けます。

審査に通ると、金融機関と金銭消費貸借契約を結び、借入金額や借入期間、金利など、住宅ローンの条件と融資の実行日を決めることになります。

2.リフォーム見積もり

中古マンションの場合、購入にあたってリフォームが必要になることも珍しくありません。

リフォームをする場合は、施工業者に室内を確認してもらって見積もりをとる必要があるため、不動産会社に室内を確認するための手続きを依頼しましょう。一般的には、5~7営業日ほどで概算の見積もりが決まります。

なお、金融機関によっては、リフォーム費用は住宅ローンで組めない場合もあります。リフォーム費用も組み込みたい場合は、住宅ローンの事前審査を受ける前に、リフォーム費用も含められるかどうかを金融機関に確認しておきましょう。

3.購入申込み

マンションの購入申込みは、まだ売買契約ではありませんが、購入するという意思を売主に示すためにも重要なステップです。中古マンションの場合は先着順となり、申込み後にキャンセルしても金銭的なペナルティは発生しません。

購入申込みの際には、物件の引き渡し日を指定するケースもあります。住宅ローンやリフォームのことも踏まえて、2ヵ月ほど余裕を見て引き渡し日を決めましょう。

4.価格交渉

価格交渉は、購入申込み後になるケースが一般的です。人気の物件の価格交渉は難しいですが、売り出してから半年以上経過した中古マンションは、100万円以上の値引き交渉ができる場合もあります。

ただし、価格交渉が成立した場合にはキャンセルしないということは、念頭に置いておいたほうがいいでしょう。また、売主の気分を害するような価格提示をしないように心掛けることも大切です。

5.売買契約

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購入申込み後、価格交渉で最終的な購入価格が決定したら、売買契約へ進みます。

売買契約の際には、物件の重要事項説明、売買契約の締結、手付金の支払いの3つの手続きを行います。

6.物件の重要事項説明

売買契約を結ぶ前に、購入する物件の権利状況や、契約をキャンセルした場合の規定などに関する説明を受けます。疑問点があれば、このタイミングでしっかり確認しましょう。

7.契約締結

重要事項説明を理解し納得した上で、売買契約を結びます。中古マンションの場合、売主から物件の不具合部分や備えつけの設備などについての説明もありますので、よく把握しておきましょう。

売買契約書には、重要事項説明で確認した権利状況や、売主と買主の義務などが記載されています。署名と捺印を行い、手付金を支払えば売買契約が成立します。

8.手付金支払い

売買契約の際には、手付金と契約書に貼る印紙代、仲介手数料の半金の支払いが必要となります。手付金は物件価格の10%だったり、一律100万円と設定されていたりする場合もあります。

9.物件引き渡し

最後に、事前に取り決めた引き渡し日までに必要な手続きや段取りについて、確認していきましょう。

10.最終確認

実際に物件を訪れ、図面や仕様書と照らし合わせながら、物件の最終確認をします。

11.残代金精算の支払い

中古マンションの購入にあたって、支払いが済んでいない金額を精算するのが残代金精算です。物件の売買代金から、支払い済みの内金や手付金を差し引いて金額を算出します。

12.諸費用の支払い

マンションの売買代金以外に、「仲介手数料(仲介物件の場合)」「火災保険料」「登記費用(登録免許税)」「司法書士への報酬」「固定資産税・都市計画税の概算金」「管理費の準備金・修繕積立費の一時金」といった諸費用を支払うことになります。

13.残代金の支払い(住宅ローンの融資実行)

精算した残代金を、売主に支払います。住宅ローンの融資が実行されると、残代金の全額が金融機関から売主に一括で支払われることとなります。

14.不動産登記申請

残代金の支払いが完了すると、物件の所有権を売主から買主へ移すための不動産登記申請が行われます。

申請後に登記済権利書を受け取ったら、大切に保管しておきましょう。

15.鍵の引き渡し

最後に、物件の鍵と関係書類を受け取ります。鍵を受け取った時点で、その物件に自由に出入りできるようになります。

中古マンション購入のポイントは物件の状態と価格交渉

中古マンションを購入する場合、物件の状態によってはリフォームや修繕が必要である点と、価格交渉があるという点で、新築マンションの購入と大きく異なります。中古といえども大きな買い物であることには変わらないため、あらかじめ購入予算を決めた上で、慎重に物件探しを進めましょう。

新築マンションの購入と同様に、物件購入の流れを把握した上で、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。

 

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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