リノベーションはどこに依頼する?会社の種類とメリット&デメリット、間違いのない選び方について


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リノベーションは、柱や壁、床などをすべて撤去して間取りから一新したり、断熱性・耐震性を向上させたりといった大掛かりな工事になることが多いため、工事を任せる会社選びはとても重要です。リノベーションを手掛ける会社は、大きく設計事務所、大手ハウスメーカー、仲介会社、工務店の4種類に分けられます。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。

設計事務所のメリット・デメリット

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設計事務所は、設計や施工管理、デザインを本業とする会社です。施工自体は行わないことが多いでしょう。

<設計事務所のメリット>
・発想力、デザイン力が豊か
設計事務所の強みは、なんといっても豊かな発想力とデザイン力、そして提案力です。ハウスメーカーでは建材の規格が厳しくデザインの幅が狭かったり、工務店では施工技術が高い一方で提案力に欠けたりするのに対し、設計事務所では独自の工法やデザイン性を活かし、自由に設計できます。
依頼主の漠然とした希望から、ライフスタイルや好みにマッチしたデザインを生み出し、斬新なアイデアで唯一無二の家づくりをサポートしてくれるでしょう。

・得意分野がわかりやすく、イメージに合う会社を探しやすい
設計事務所の場合、それぞれの得意分野がわかりやすく、自分のイメージに合う会社を探しやすいのもうれしい点です。リノベーションをする際には、誰でも「こんな家にしたい」「こういう雰囲気にしたい」という希望を持ってプランを立てるでしょう。
設計事務所にはそれぞれ「モダン」「ナチュラル」「モード」といった得意なテイストがありますので、施工事例などをもとにイメージに合ったデザインをしてくれる会社を探しやすく、満足度の高いリノベーションをすることができます。

<設計事務所のデメリット>
・コストが高い
リノベーションを設計事務所に依頼する際の注意点として、コストがかさみやすいことが挙げられます。間取りやデザインはもちろん、建材の種類や素材など、細部までこだわったオリジナルな設計になる点はメリットですが、多めに費用を見積もっておきましょう。

・工事まで時間がかかることが多い
設計事務所は細やかな対応をする分、計画や工事に時間がかかることが多いでしょう。
設計事務所は、オリジナルのデザインを手掛ける会社が多く、「ほかにない個性的な住まいが欲しい」「世界にひとつしかないデザインを実現したい」といった要望に応えてくれます。ヒアリングや調整を綿密に行い、時間がかかる場合も多いので、ある程度の期間を見て依頼しましょう。

<設計事務所への依頼がおすすめの人>
・とにかくおしゃれなデザイン、ほかにないデザインの家づくりを目指す人
・期間に余裕がある人
・十分な予算を用意できる人

大手ハウスメーカーのメリット・デメリット

最近では、大手ハウスメーカーでも、リノベーションを手掛ける会社が増えています。建物の構造や工法をよく知っているので、希望を踏まえて最適なリフォームを提案できるのが強みです。グループの連携を駆使して、物件探しからアフターケアまで充実したサービスを提供しています。

<大手ハウスメーカーのメリット>
・グループ会社の連携を活かしたワンストップサービス
大手ハウスメーカーは、中古の優良物件探しを行う会社から、リノベーション中の仮住まいを手配する賃貸会社まで、グループ内にさまざまな事業を行う会社を保有しているのが特徴です。
大手ハウスメーカーが展開するワンストップサービスは、打ち合わせから施工・工事後の引き渡しまで、連携会社とのやりとりがすべてシステム化されているので、スムーズに進行します。
作業のマニュアル化により、施工が大工の技量に左右されないため一定の品質を保てることが強みです。

・価格が明瞭
リノベーションは、追加工事が必要になったり、計画段階で希望が増えたりすることが多く、予定外のコストがかさみやすい工事です。大手ハウスメーカーであれば価格が明瞭で、パッケージプランも多いため、だいたいの予算を想定しやすいでしょう。

<大手ハウスメーカーのデメリット>
・比較的割高である
大手ハウスメーカーは施工技術や保証に優れていたり、広告に費用をかけていたりする分、費用面は若干高くなります。

・自由度が低い
使用する建材などの規格が統一されているため、リノベーションの自由度という面では設計事務所などに比べて劣ります。

<大手ハウスメーカーへの依頼がおすすめの人>
・リノベーションの工期は短くしたい人
・万人受けするデザイン企画で仕上げたい人
・リノベーション後のフォローや保証の充実度を重視する人

仲介会社のメリット・デメリット

リノベーションの仲介会社は、顧客に施工会社やデザイン・設計事務所などを紹介し、仲介役を果たします。また、提携した施工会社の施工事例をウェブサイトで紹介し、顧客がリノベーションを依頼する会社を選ぶためのサポートを行っています。

<仲介会社のメリット>
・依頼する施工会社を慎重に選べる
リノベーションの仲介会社は、施工を依頼する会社の選定において、第三者の立場からアドバイスしてくれます。仲介会社によっては、その会社専属のリノベーションの専門家に、プランなどの相談も可能です。仲介会社に依頼してワンクッション置くことで、リノベーションの計画を慎重に進められるでしょう。

・施工会社とのトラブルを回避できる
施工会社が提案する設計が希望と合わないときや、施工の過程で不満があるとき、仲介会社に相談できるので安心です。中立の立場から、施工会社の提案と顧客のニーズを調整し、施工計画をスムーズに進めてくれます。

<仲介会社のデメリット>
・施工会社が決める手間がかかる
仲介会社に依頼する際は、多くの施工会社から選定することもあり、検討に手間がかかる場合もあります。
仲介会社にリノベーションの施工会社を紹介してもらう際は、担当者からさまざまな意見を聞いたり、専門家に相談したりする中で、多くの施工会社を比較・検討し、吟味するケースも多いです。それだけ慎重に、間違いのない会社を選べるということでもあります。

<仲介会社への依頼がおすすめの人>
・相談から施工まで、一気通貫で済ませたい人
・多くの施工会社を比較・検討したい人

工務店のメリット・デメリット

リノベーションを手掛ける工務店の会社は、現場作業を得意とし、独自の施工技術を持っていることが強みです。地域密着型から商業店舗を手掛ける会社まで業種の幅が広くそれぞれ採用する工法が異なります。ちょっとした修繕から大規模なリノベーションまで、施工において対応の範囲もさまざまです。

<工務店のメリット>
・施工技術が高く、建物の構造をよく知っている
現場作業を得意とする工務店は、高い施工技術と豊富な施工実績が強みです。建物の構造をよく知っているので、安全性の高いリノベーションが可能です。

・小回りが利く
大手ハウスメーカーに依頼すると、依頼からリノベーションまで時間がかかる場合でも、少数精鋭の工務店なら小回りが利いて、すぐに工事に着手してくれます。

<工務店のデメリット>
・流行を取り入れた設計を望めない場合がある
工務店の会社に依頼する注意点として、トレンドに弱い点がネックとなる場合があるでしょう。現場作業に強い半面、発想力や提案力は低めといえます。

<工務店への依頼がおすすめの人>
・建物の構造や工法を熟知した職人によるリノベーションを望む人
・デザインより技術力に期待する人

迷ったらモデルルームへ行こう

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リノベーションを依頼する会社がどうしても決まらず迷ってしまったら、それぞれの会社が公開するモデルルームへ足を運んでみてはいかがでしょうか?
モデルルームでは、実際にリノベーションが施された物件を眺め、生活をイメージしながら、デザインや予算を相談できます。
実際にリノベーションされた住宅を見れば、より自分の理想に近いリノベーションを実現してくれそうな会社かどうかわかるでしょう。

リノベーションの成功は会社選びがカギ!

リノベーションが満足のいくものになるかどうかは、会社選びにかかっているといっても過言ではありません。理想のリノベーションを実現するため、リノベーションの会社にどのような種類があり、どのようなサービスを提供しているのか、事前のリサーチが大切です。
それぞれの特徴や施工事例、強みなどをチェックし、担当者と話をして信頼できる会社を選びましょう。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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