中古マンションの買い時はいつ?購入すべきタイミングについて


中古マンションの購入を考えるにあたり、購入時期は多くの人が悩むところです。車を割安で買いたいのなら決算セール時がおすすめですが、同じように中古マンションの買い時を知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ここでは、中古マンションの買い時について解説します。

中古マンションの買い時とは?

結論から言うと、中古マンションには車のように明確な買い時はありません。中古マンションは現品限りの物だからです。
中古マンションは電化製品や中古車などと違い、同じ物はほとんど存在しません。いい物件を逃してしまうと、同じような物件がまた見つかるとは限らないのです。そのような理由から、いい物件を見つけたときが買い時というのが、中古マンション購入の基本になります。

投資用とマイホーム用の違い

自分に合った中古マンションに出合うためには、まず中古マンションを探さなければなりません。その際には、中古マンションの購入を考える時期が問題となるわけですが、これは経済動向や金利といった世の中の状況からの視点と、購入者自身の年齢やライフステージといった個人的な視点との両方から考えることができます。
その視点を持った上で、投資物件としての中古マンションとマイホーム用としての中古マンションについて考えてみましょう。

・投資物件として購入する場合
投資物件として中古マンションを購入したい場合、重要なのはキャピタルゲイン(売却益)やインカムゲイン(家賃収入)が見込めるかどうかです。マンション価格や賃貸価格は、社会状況や経済動向に左右されますので、世の中の状況からの視点で買い時・売り時を判断することが重要でしょう。
例えば、「近くに大学が移転してくることが決まっていて、学生用の賃貸需要が伸びそうだからワンルームマンションを購入する」「都市開発が進んでエリアの人気が高まりつつあり、中古マンションの価格も上昇が見込めるから、今のうちに購入しておく」といった考え方です。

投資用マンション

・マイホーム用に購入する場合
マイホーム用の中古マンションの購入は、結婚や出産、子供の成長、転勤など、何らかのライフステージの変化に合わせて検討することがほとんどです。このようなライフステージの変化は、経済動向と関係ないため、マンション価格が高いので購入は少し待つというわけにはいきません。
生活拠点となるマンションの購入が遅れると、仕事や子育てなど、すべてに影響が及んでしまいます。マイホーム用の中古マンションを購入する場合、経済動向は気にせずに、必要なタイミングで購入時期を決めるといいでしょう。

マイホーム用マンション

年齢から考える中古マンションの買い時

マイホーム用の中古マンションを購入するにあたっては、住宅ローンを組むのが一般的ですが、そこで注意したいのは購入時の年齢です。年齢によっては長期ローンが組めなくなる可能性もあります。

多くの住宅ローンでは、借入れができる上限を65~69歳とし、完済時の年齢上限を75~80歳に設定しています。ですので、35年ローンを組むのであれば、少なくとも44歳までにローンを組まなくてはいけません。
ただし、会社勤めであれば、一般的に60~65歳で退職となり、その後は年金生活になります。65歳で退職し、80歳で完済予定となると、65~80歳の15年間は、年金からローン返済をしなければなりません。繰上返済という方法もありますが、退職前にローン返済を済ませたいのであれば、若いうちに中古マンションを購入するのがいいでしょう。

築年数から見た中古マンションの買い時は?

中古マンションの価格は、その時々の経済状況と、マンションの立地や日照、眺望、部屋の様子、管理状態、築年数といった個別の要因によって決まります。
一方で、車のように決算セールがあるわけではないので、毎年この時期がお買い得という季節はありません。不動産業界全体としては、新年度を迎える前の2~3月と、会社員の移動が多い9~11月が繁忙期といわれていますが、この時期に中古マンション価格が値上がりすることもありません。
ただし、購入希望者が多いため、条件のいい物件はすぐになくなってしまう可能性があります。

価格の変動が小さい築20年以降の物件がおすすめ

マイホーム用に中古マンションを購入する場合は、経済動向にかかわらず物件探しをしなければいけません。その場合、資産価値の変わりにくい物件を選ぶ必要がありますが、その方法のひとつが築20年以降のマンションを選ぶことです。

マンションの資産価値は新築のときが一番高く、築年数が経つほど下落していきます。しかし、築20~25年になると、大きな価格変動がありません。将来売却するにしても、あまり価格は変わらないと予想できます。
ただし、あまりに築年数が経っている古い物件だと、耐久性への不安があります。1981年6月から施行された新耐震基準よりも前に建てられたマンションは耐震性能が心配ですし、排水管に経年劣化しやすい金属管が使われている場合もあります。築20年以降のマンションならどれでもいいわけではなく、マンションの管理状況を確認して選ぶことが大切です。

お買い得な築20年以降のマンションを見つけるポイント

中古マンションの購入を検討する際のチェックポイントとしては、以下のような項目が挙げられます。

  • 価格
  • 設備
  • 立地
  • 耐震性
  • 管理状態
  • 修繕積立金
  • メンテナンス状況
  • リノベーションの有無

中でも、メンテナンス状況は、建物の寿命に影響するため、しっかり確認することが重要です。現在の状態だけでなく、大規模修繕や建て替えはいつおこなわれたのか、今後予定があるのか、どのようなメンテナンスがおこなわれていたのかといったことは、必ず確認しておきましょう。

また、現在の管理状態と修繕積立金の状況も、忘れずにチェックしたいところです。例えば、エントランスが清掃されていなかったり、壊れた設備が修理されずに放置されたりしている場合は、管理状態に不安が残ります。

修繕積立金は、10年、20年単位でマンションを維持していく上で必要なメンテナンスをおこなうために、各戸の所有者が毎月積み立てているお金のことです。修繕積立金が不足していると、マンションの維持に必要な大規模修繕をおこなう資金が足りず、不十分な修繕しかできなかったり、修繕ができずに建物が劣化していったりすることになりかねません。また、マンションの状況によっては、入居後に修繕積立金が値上げされる可能性もあります。

マンションの長期修繕計画を確認すれば、長期修繕の予定や修繕積立金の状況、マンションが抱える課題などがわかりますので、購入を検討する際には確認しておきましょう。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響はまだわからない

市場状況が中古マンション価格に影響することに関し、新型コロナウイルスの影響による中古マンション価格の下落は、今のところあまり見られません。
すぐに価格が下落することはあまり考えられませんが、新型コロナウイルス感染症の拡大が不動産市場全体に与える影響は、まだはっきりとわかっていないのが現状です。

中古マンションの購入はライフイベントに合わせて検討を

中古マンションは、客観的にいつが買い時とは決まっておらず、マイホーム用なら必要なときが買い時です。
いい物件を逃してしまうと、同じような物件がまた見つかるとは限らないので、自分のライフステージの変化に合わせて、いい物件を探してみてください。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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