光熱費を抑えられて補助金・減税制度も利用できるエコ住宅のメリットとデメリットは?おすすめのエコ設備も紹介


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光熱費を削減でき、環境にも配慮できるエコ住宅。冷暖房を使わなくても夏は涼しく冬は暖かく暮らすことができ、太陽光の自然エネルギーで自家発電できるなど、さまざまな魅力があります。
ここでは、エコ住宅の魅力のほか、購入前の注意点についてご紹介します。また、おすすめのエコ設備についてもご紹介しますので、エコ住宅を検討されている人は、ぜひ参考にしてください。

エコ住宅とは?

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エコ住宅とは、気密性や断熱性に優れた素材や工法を使ったり、太陽光や風、水などの自然エネルギーを活用したりすることで、冷暖房をはじめとした暮らしに必要な消費エネルギーを従来の住宅よりも抑えられる住宅のことです。

環境省では、地域の気候風土や敷地の条件、住まい方に応じて自然エネルギーが最大限に活かされる住宅をエコ住宅と定義しています。
近年、エコ設備が発達し、元の材料による機能だけでなく、エコ設備を取り入れることで省エネルギーの機能を実現する住宅もエコ住宅と呼ばれるようになりました。

太陽の熱エネルギーをお風呂やキッチンの給湯などに利用する太陽熱利用システムや、少ない水で洗浄できる節水型トイレなどもエコ設備に該当します。
例えば、太陽光発電と蓄電設備を設置すれば、自家発電によって電力を補うことも可能です。

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エコ住宅のメリット

エコ住宅には、さまざまなメリットがあります。まずはエコ住宅が人気の理由と、魅力について見ていきましょう。

光熱費を抑えて家計を節約できる

エコ住宅のメリットとしてまず挙げられるのは、光熱費を抑えられることです。
夏場・冬場ともに快適に過ごせる高気密・高断熱の家なら、冷暖房の使用も最小限で済みます。夏場、8畳のリビングで毎日7時間冷房をつけている場合、月約8,000円の電気代がかかります。しかし、涼しいエコ住宅の場合、猛暑の時間帯のみ使用すればいいので、電気代は3,000円くらいまで安くなるでしょう。
ほかにも、太陽光などの自然エネルギーを使った自家発電設備を設置することで、光熱費を節約することも可能です。

環境と次世代の暮らしに配慮できる

エコ住宅で暮らすことで、冷暖房、換気、照明、給湯などによる電気やガスの消費量を抑制し、環境負荷を減らすことができます。
環境に優しい住まいが普及し、日本の住宅スタイルとして定着すれば、次世代の人々の住環境はより良いものになるでしょう。

補助金制度や減税制度を活用できる

環境に配慮したエコ住宅は、新築やリフォームの際に補助金や減税の対象となります。
エコ住宅を購入、またはエコ住宅にリフォームすることで適用される代表的な補助金や減税制度をまとめました。

■エコ住宅に適用される補助金制度と減税制度

制度 内容
長期優良住宅化リフォームに関する特例措置 エコ設備を取り入れ耐久性や耐震性に優れている住宅にリフォームした場合に、補助金がもらえる制度
認定低炭素住宅に関する特例措置 二酸化炭素の排出量が少ない「低炭素建築物」に認定されると、所得税が軽減される制度
長期優良住宅の住宅ローン減税 長期優良住宅を新築し住宅ローンを組んだ場合に、一般住宅よりも減税効果の高い住宅ローン控除を受けられる制度
地域型住宅グリーン化事業 長期優良住宅や低炭素住宅といった省エネルギー性能等に優れた新築木造住宅に100万~165万円の補助金が交付される制度

ほかにも、自治体ごとに実施している補助金制度などもあります。詳しくは、各省庁や地方自治体のウェブサイト等をご確認ください。

エコ住宅のデメリット

ここからは、エコ住宅のデメリットをご紹介します。エコ住宅購入の際に失敗しないように、注意点としてお役立てください。

価格が高くなりがち

エコ住宅は、従来の住宅よりも省エネ性能の高い素材や工法を用いるため、一般的な住宅よりも価格が高くなりがちです。
初期費用を抑える対策として、紹介した補助金や減税制度の条件を満たすか確認してみましょう。新築購入が難しい場合、既存住宅をリフォームしてエコ住宅にできないか検討してみるのもいいでしょう。

業者選びにおける選択肢の幅が狭まる

大手ハウスメーカーであれば実績も豊富で、自然素材を活かした工法が構築されていたり、先進の省エネテクノロジーを保有していたりするため、安心して依頼することができます。

次世代住宅ポイント制度とは?

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次世代住宅ポイント制度とは、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅の新築やリフォームをすると、さまざまな商品と交換できるポイントがもらえる制度です。2019年、消費税増税による住宅購入やリフォームへの負担を減らすため、国土交通省が創設しました。
新築住宅を購入した場合は最大35万ポイントが、住宅のリフォームを行った場合は最大30万ポイントが付与されます。次世代住宅ポイントは、省エネ家電や食料品など、さまざまな商品と交換することが可能です。
ポイント発行の申請期限は2020年3月末でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、3月末までに契約できず2020年4月7日から2020年8月31日までに契約を行った場合、2020年8月31日までポイント申請が可能です。ただし、申請期限前であっても、予算額に達し次第終了となります。

次世代住宅ポイント制度

おすすめの最新エコ設備4選

それでは、家計を節約できて環境に配慮できる、最新のエコ設備を厳選して4つご紹介します。

エコガラス

断熱性に優れたエコガラスは、冬は暖かい室内で過ごせ、夏は冷房効果を高めてくれます。また、結露を抑制したり、紫外線を軽減したりする効果もあるため、快適な暮らしをサポートしてくれるでしょう。

保温浴槽

保温浴槽とは、浴槽と蓋に発泡ポリスチレン断熱材を用いることで熱を逃さず、高い保温効果を発揮する浴槽のことです。長時間お湯が冷めにくく、適温を維持できるため、お風呂の追い焚き回数を減らせます。光熱費の節約にも効果的です。

節水トイレ

節水トイレは、従来のトイレに比べて、大幅に節水できるトイレです。水道代の節約に効果的で、節電機能つきの温水洗浄便座なら電気代も抑えられます。汚れがつきにくい有機ガラス系新素材を使うことでトイレ掃除の回数を減らし、節水できるタイプのトイレも人気があります。

LED照明

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LED照明は消費電力が抑えられ、電気代の節約に効果的です。寿命が長いため、電球交換の手間も減らせます。消費電力が減り、環境にも配慮できるのもポイントです。

エコ住宅は将来の家計の節約にもつながる

エコ住宅は、従来の住宅よりも初期費用はかかりますが、毎日の光熱費や水道代を抑えられるため、長期的な目線で見ると大きな家計の節約につながります。また、一定の要件を満たすエコ住宅なら、国や自治体から支援を受けられます。
新築購入やリフォームを検討中の人は、環境に優しく、一年中快適に過ごせるエコ住宅も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

監修者:髙野友樹
株式会社 髙野不動産コンサルティング代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして勤務。2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

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