メゾネットとは?種類とメリット、内見の際の注意点を解説


メゾネットとは?

マンションを探しているとき「メゾネット」という言葉を目にしたことはありませんか?「メゾネット」と聞くと、あなたはどんなイメージをお持ちになるでしょう?「メゾネット物件という言葉は聞いたことあるけど、具体的なことはよく分からない」「なんとなく、広々とした高級なイメージ」と感じる人もいるでしょう。今回は、メゾネットとはどんな物件なのか、メゾネットを選ぶメリットや注意点などについてご紹介します。

戸建て感覚で暮らせるメゾネット

メゾネットとは、マンションなどの集合住宅にもかかわらず、部屋の中に階段があり、居住フロアが2階以上の階層に分かれている物件のことをいいます。らせん階段だったり、天井が吹き抜けになっていたり、窓が大きかったりと、マンションやアパートでありながら、一軒家のような開放感とおしゃれな雰囲気を併せ持っているのが特徴です。

メゾネット物件は、デザイナーズマンションやタワーマンションの上層階、または1階部分であることが多いため、一般的なワンフロアの物件に比べると物件数は少ないです。また、メゾネットの物件の中には、ペットと暮らすことが可能な物件や、ピアノなど楽器の使用が可能な物件も。一戸建てに住みたいけどマンションの良さも捨てがたい方などは、メゾネット物件であれば希望の条件を満たしてくれるかもしれませんね。

メゾネットタイプの3つの種類

メゾネットは上下階の組み合わせで、3種類に分けることができます。

[ 1 ] 上下階が一戸になったタイプ

マンション内の上下階をメゾネットにしたスタンダードなタイプです。

[ 2 ] 3フロアを二戸に分けたタイプ

マンションの上下3フロアをそれぞれ2分割し、たとえば、1階と2階でのメゾネット、2階と3階でのメゾネットのように、3フロアを使って二住戸のメゾネットができるタイプです。

[ 3 ] ルーフメゾネットなど

マンション最上階にある屋上に、ルーフバルコニーが付いたメゾネットです。ルーフバルコニーから眺望を楽しめる贅沢なタイプです。また、マンションの1階と2階がメゾネットになったタイプでは、庭が付いたメゾネットもあります。

ロフトやテラスハウスとの違い

メゾネットは「階段がある2階建ての物件」と聞くと、「ロフトのこと?」と思う方もいるかもしれませんが、ロフトとメゾネットは建築基準法の観点からは、まったく異なるものです。また、メゾネットとテラスハウスも混同しがちですが、こちらも異なります。メゾネットとそれぞれとの違いについて、ご説明します。

まず、ロフトとは、部屋の一部を中二階に分けた造りで、屋根裏部屋のような空間になっています。ロフトは、そもそも限られた建物の空間を有効に利用するため、建築基準法で延床面積に算入されない天井高1.4m以下の空間を部屋の上部や下部に設けたもの。したがって、建築基準法では居室として認められておらず、「小屋裏物置等」と呼ばれる収納などの位置付けになっています。

また、テラスハウスとは、戸建て住宅が複数つながったタイプの共同住宅のことです。昔でいう長屋のようなイメージで、隣の部屋(住宅)と戸境壁を共用し、1つひとつの部屋(住宅)は戸建てのように2階建てや3階建てとなっています。

共同住宅の部屋の中に階段があるという点では同じようですが、メゾネット・ロフト・テラスハウスではこのような違いがあります。それぞれの特徴を知り、ご自身のスタイルにあった部屋を探すとよいでしょう。

メゾネットの4つのメリットとは?

おしゃれで開放感のあるメゾネット。次は、そんなメゾネットに住むメリットについてご紹介しましょう。

[ 1 ] ゲストを招きやすくなる

メゾネットの場合、1階をリビング・ダイニング、2階を寝室というようにパブリック空間とプライベート空間を上下に分けることができます。プライバシーを守りやすいため、たとえば受験生のいるご家庭などでも気を使うことが減り、ゲストを招きやすくなりますね。

[ 2 ] 日当たり・風通しがよい

ワンフロアのみの平面な間取りに比べ、上下階の立体的な間取りであるメゾネットタイプ。南向きの部屋であれば、上下階とも日当たりのよい面にリビング・居室を配置しやすくなります。したがって、メゾネットタイプでは、ワンフロアの間取りよりも日当たりがよい居室が増える傾向があります。加えて、窓の数も増える傾向があり、風通しがよいというのもうれしいポイントです。

[ 3 ] 騒音トラブルを回避しやすい

一般的なワンフロアタイプのマンションは、下の階に足音やドアの開閉などの生活音が響くことがあります。メゾネットタイプなら、上階を子ども部屋にすることで、下の階への音漏れを気にしなくて済みます。

[ 4 ] 上下階で異なるインテリアを楽しめる

メゾネットの場合、上の階をモダンシックに、下の階のリビングをラグジュアリーに、など上下階で異なるインテリアを楽しむこともできます。インテリアにこだわる人にはうれしい造りですよね。

メゾネット物件を検討するうえでの注意点とは?

生活動線に階段の上り下りが必要になる

生活動線とは、リビングやキッチン、お風呂場、トイレなど、生活の中で行き来する動線のこと。ワンフロアタイプのマンションに比べて、メゾネットは階段がある分、住まいを移動する動線にアップダウンが出てきます。

そのため、小さな子どもやご高齢の家族のいるご家庭では、ケガなどしないよう上下階の移動に気を使う必要が出てくるなど、検討する上で注意しておきたい点があります。

温度調整がしにくい

メゾネットは室内の上下階に空間があるため、温度調整がしにくいです。特に吹き抜けのあるメゾネットの場合、空間が広く、適温になるまでに時間がかります。

熱い空気は上に抜けるため、夏は上の階に熱がこもりやすく、下の階は温度が下がりやすくなります。一方、冬は上の階は温まりやすく、下の階は温まりにくくなります。

部屋の温度調整のしやすさは、間取りや建物の断熱性能、冷暖房設備などによっても変わってきますので、物件を検討する際、念頭においておくといいでしょう。

同面積の物件と比較して生活スペースが狭くなる

同じ面積のワンフロアタイプとメゾネットタイプを比較すると、階段がある分、メゾネットの方が生活スペースは狭くなってしまいます。狭くなってしまう分は、空間の広がりやプライバシーの確保、日当たりといったメリットの裏返しです。

生活スペースを重視するか、メゾネットならではのメリットを求めるかで判断する必要がありますね。ただ、階段下を収納スペースとしてできるだけ有効に活用するなど、できるだけスペース確保に配慮しているメゾネット物件もありますので、物件を探すときの参考にしてみてください。

家具の移動が大変な場合もある

らせん階段や狭い階段の場合、上の階にベッドやクローゼットなどの大きな家具を搬入するのが大変なケースがあります。引っ越しの際、上の階へ置きたい大型家具は、業者に依頼して吊り上げてもらうことになり、コストが増えることがありますので、意識しておく必要があるでしょう。

メゾネット物件はどんな人に向いている?

ここまでメゾネットの特徴を説明してきましたが、どんなタイプの人がメゾネットでの暮らしに向いているのでしょうか?

空間を分けた生活を望む人

メゾネットは居住空間を上下に区切ることができるため、以下のような、空間を分けた生活を望む人におすすめです。

・生活スペースのほかに、仕事スペースを設けたい人

・来客が多く、プライベートスペースとパブリックスペースを分けたい人

・親や同居人と適度に空間を分けて生活したい人

マンションでも戸建て住宅感覚で住みたい人

メゾネットはマンションでも、戸建て住宅のような住まい方ができます。専用庭のある1階と2階のメゾネットなら、まさに戸建て感覚。上階にあるメゾネットも室内はほとんど戸建て住宅で暮らしているようなライフスタイルになります。

しかも、マンションのメゾネットなら、鉄筋コンクリート造などの戸建て住宅に住むイメージに。戸建て住宅を検討している人でも、メゾネットマンションならば選択肢にいれてみてもいいかもしれません。

メゾネットタイプを内見するときのチェックポイント!

物件探しを行う際に、メゾネットタイプの内見の機会がありましたら、以下の点は是非チェックしましょう。

●リビングとトイレが同じ階にあるか

来客があった場合に、リビングなどのパブリックスペースにトイレがあると便利です。

●階段の位置

同じメゾネットでも、部屋の中心に階段があるか、部屋の壁側に階段があるかで使い勝手が違ってきます。たとえば、部屋の中心にらせん階段を設置する場合。らせん階段と部屋全体の統一感を図るために、生活感を出したくないと考える方が多いです。そのため、部屋で過ごす際に不便さを感じることがあるかもしれません。

一方、玄関から入ってすぐの壁側に階段がある場合。来客者の目にも留まりますので、華やかな階段にしてもよいでしょう。自分の趣味の絵や作品を飾ることができます。

●階段は歩きやすいか

手すりがあるか、階段の幅は十分に確保されているか、階段の高さは無理がないかなど、実際に上り下りして使いやすいかを確かめましょう。

●居室となる部屋とリビングなどの共用空間の配置はどうか

間取りをチェックするときには、居室などのプライベート空間とリビングなどパブリック空間との、位置関係や扉などの仕切りを確認しておきましょう。間取りによって上下の空間の使い方に違いが出てきます。

●上階と下階の日当たり・眺望

同じ向きの居室でも1つ階が違うと日当たりや眺望(景色)がまったく違うことも。特に、日当たりは向かいにある建物の影響もあるので、必ず上階と下階の日当たりを確認しましょう。

開放的なイメージのあるメゾネットタイプのマンション。メゾネットといってもさまざまな間取りの部屋がありますので、自分に合う素敵な物件を選んで、マンションでありながら戸建て感覚の暮らしを送るのもいいですね。

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