パントリーを設置するときの3つのチェックポイント、活用のアイデアとは?


パントリーとは?

「パントリー」とは、主にキッチンの一部や周りに設置された小部屋・収納スペースのことです。

小部屋のようになっているウォークインタイプと、クローゼットのような壁面収納のタイプがあり、缶詰や調味料、お米といった食品ストック、調理器具、食器類、掃除用具など、さまざまなものを収納することができます。

パントリーのメリットと注意点

欧米住宅のキッチンのようで、おしゃれな雰囲気のあるパントリー。憧れの設備のひとつですが、実際にはどのようなメリットと注意点があるのでしょうか?

パントリーのメリット

パントリーのメリットは、なんといっても大容量の収納力。家族の人数に合わせてたくさんのストックが必要、災害時の食品までしっかり用意しておきたい、普段使わない食器など、モノが多いご家庭にはとても便利な収納といえるでしょう。

キッチン周りがすっきりするので、対面型キッチンなど物が目につきやすいタイプのキッチンでもパントリーがあれば、常に清潔感を保てます。また、小部屋タイプのパントリーに小さくても作業台があるタイプなら、炊事をしながら簡単な作業ができるので、家事の効率もアップします。

パントリーの注意点

パントリーを設置するには、キッチンまたは周辺にそれなりの広さが必要です。十分な広さがない状態で無理に設けてしまうと、かえってキッチンが狭くなって動きにくくなってしまうことも考えられます。また、注文住宅やリフォームなどでパントリーを設置する場合、その分の施工費用がかかることも考慮する必要があります。内部の棚、小窓や換気扇、照明といった設備も含め、希望のデザインと予算について、事前によく相談が必要です。

パントリーは収納力が魅力ですが、ストックできてしまうからこそ、余分なストックも増えてしまい、ときにはストックの賞味期限や消費期限が切れてしまうことも。パントリー内のストック管理も注意が必要になります。

パントリーを設置するときの3つのチェックポイント

ご自宅にパントリーを設置する場合、使い勝手をよくするポイントは「位置」「広さ」「仕様」の3つです。これらについて、詳しくご紹介しましょう。

 [ 1 ] 位置

パントリーの設置位置は、生活動線から考えます。基本的には、玄関とキッチンから移動しやすい場所がおすすめ。お買い物帰りの荷物を運び入れたり、調理中に行き来したりするのが楽になります。また、食品を常温保存することを考えると、日のあたる場所は避けるのがベターです。

 [ 2 ] 広さ

パントリーの広さは1畳~2畳程度が平均的ですが、具体的には「出入りがしやすく、モノを置きやすい奥行きと間口(幅)が必要」ということになります。ウォークインタイプの場合は、奥行き100㎝以上、間口は80~90㎝程度が目安。食材などを持ち運びしながら出入りするためには、このくらいの余裕があると理想的です。

一方、壁面収納タイプの場合は奥行き45㎝、間口が90~180㎝程度が一般的。奥行きを深くし過ぎると、モノが取り出しにくくなる・入れたモノを忘れてしまうなどのトラブルが起こりやすくなるため、十分注意しましょう。

 [ 3 ] 仕様

ウォークインタイプのパントリーの場合、まず気を付けたいのは通気性。小窓を付けることで換気しやすくなります。小窓の取り付けが難しい場合は、換気扇を付けるとよいでしょう。小窓や換気扇が自由に設置できないマンションでは、キッチンの換気扇との位置を考慮するといいでしょう。

また、内部の棚は可動式にすると、調味料など小さなモノも置きやすくなり、機能性がアップします。デッドスペースになりやすいコーナー部分には、回転式の棚を取り入れるのもおすすめです。

壁面収納タイプの場合は、扉をどのようにするかが大切なポイントになります。たとえば、観音開きで動線を邪魔してしまう場合は、引き戸タイプがよいでしょう。ただし、引き戸の場合は開けたときも半分は隠れることになるので、モノを収納するときは片方を開ければ取り出せるように工夫する必要があります。また、湿気がこもらないようにルーバーのついた扉にするなど、通気性も十分確保できるようにしましょう。キッチンの外から見えにくい位置なら、扉をガラスやアクリルパネルなど中の見える素材にしたり、扉を付けないオープンタイプにしても便利です。

おしゃれで使いやすいパントリーにするには?

パントリーは収納力があるだけに、どんどんモノをしまい込みがち。単なる物置にしてしまわないためには、見た目にちょっぴりこだわること、そして簡単な収納ルールを守ることが大切です。

おしゃれで使いやすい収納アイデア

パントリー収納をおしゃれに見せるなら、色・素材を統一したケース類を利用するのがおすすめ。キャンバス地のソフトケースや自然素材のかごなど、インテリアに合わせてお好みのアイテムを選んでみましょう。パッケージの色や形がバラバラの食品類が、スッキリきれいに片付きます。

また、棚にそのままモノを並べていると、だんだん乱雑になってしまいがちですが、ケース類を使えば散らかりにくくなる効果も得られます。

モノを機能的に収納するには、「重さ」と「使用頻度」で仕分けるのがポイント。

たとえば、ペットボトル入りの水やお酒の瓶などは足元に。乾物やレトルトパックなどは上へしまうと、取り出しやすく安全です。また、普段使いの調理器具や食器など頻繁に出し入れするモノは、「ゴールデンゾーン」と呼ばれる、目線から腰までの位置に収納しましょう。しゃがんだり、踏み台に乗ったりせず、いつでもスムーズにモノを取り出せます。

「棚の中に仕切りが少なく、調味料など細かいモノをしまいにくい」「デッドスペースができてしまう」という場合は、棚板を増やすのがおすすめ。棚の内側にダボ(棚受け)を入れる穴があれば、ホームセンターで板とダボを購入してDIYすることができます。難しい場合は、脚付きのラックを置けば簡単に空間を仕切ることができます。

きれいなパントリーをキープするコツ

「重複買いしたストックが、パントリーの棚からあふれて散らかっている…」という状態を防ぐには、ストックを一目で把握できるようにすること。モノを重ねると下にあるものが見えなくなってしまいがちですが、ファイルボックスなどに立てて収納すれば分かりやすく、取り出すときも楽になります。

また、収納ケース以上の量を買わないルールを守ることも大切。セール品などをつい買い込んでしまう前に、本当に必要かどうか、一旦考え直してみましょう。

さらに、ストックはきちんと回転させて、期限切れ食品でスペースを無駄にしないことを心がけると完璧。それぞれにマスキングテープなどを貼り、消費期限をラベリングしておくと分かりやすくなって便利です。できれば、定期的な在庫チェックも行いましょう。

上手に活用すれば、暮らしがスッキリ便利になるパントリー。ですが、必ずしも設置しなければならない訳ではありません。「パントリーを設置することで、肝心のキッチンが狭くなってしまう」「整理整頓や管理が苦手」という場合は、本当にパントリーが必要か、あるいはいらないのか、改めて検討してみるのがおすすめです。

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